4月に世界旗艦店と位置付けられた無印良品銀座がオープンしました。MUJI HOTELも併設された無印良品、迫力のディスプレイとともに1階は、野菜なども扱う食品のフロアとなっています。冷凍食品、好みに合わせてブレンドできるお茶の葉、ジューススタンド、インストアベーカリーが配置され、無印良品の食を楽しむようになっています。また地下1階には、ダイナーがあり、サラダバーやお惣菜が楽しめます。おもしろいのは、朝7時半からパンとカフェ、地下のダイナーがオープンしていることです。
<<銀座で早朝から焼きたてパンはうれしい。ダイナーでは、おむすびなど提供している 無印良品>>
「訳あって安い」から出発した無印良品ブランド、私自身、このブランドを世に出したセゾングループにいたことがありますので、なにかとても深い思い入れがあります。海外でもMUJIのロゴを見かける機会も多く、2019年2月の決算報告によれば、売上、営業利益ともに、すでに4割近くを海外で得ています。今年度は、中国・香港・台湾・韓国の東アジア地区で400店舗近くにするとの計画がなされています。
無印良品だけでなく、海外市場の方が稼ぎが多いという小売業もいくつかあります。デロイトトーマツによる世界の小売業250を見ますと、2017年度の世界のランキング、もちろんダントツ1位はウォルマート、続いてCostco、Kroger、Amazonと続くわけですが、日本勢は、イオンが頑張って、13位にランキング。日本企業では、続いて、セブンアイ、ファーストリテイリング、ヤマダ電機、ユニーファミリーマート、三越伊勢丹、ドン・キホーテと続いていますが,250位になんと31社入っています。ほぼ、こてこてドメスティックですが、1億2千万にという人口に支えられてきたわけですが、これからは人口も減って、やっぱり海外市場を目指さないとヤバいです。
良品計画のような、海外売り上げが半分近くを占める小売業は、イオンモール、果敢に東南アジアを攻めており、2019年2月の決算報告では、先行投資型であった中国、アジアのイオンモールが2018年度は黒字に転換しはじめてきています。プノンペンのイオンモールなど涼みに来ているだけで誰も買ってないやん!と数年前に行ったときは思いましたが、ホーチミンやハノイでは、皆しっかりお金を使っている光景を目の当たりにしています。
<<日本と同じ鍋セットが売られています。イオンロンビエンにて>>
またユニクロも海外比重の方が高い。日本は薄利多売状態のようで、高品質を認めてくれるアジアでは好業績のようです。小売業とはいえ、外に活路を求めていかざるを得ない状況になっています。ドン・キホーテはすでに米国で38店舗を営業していますが、シンガポール、バンコクに続いて、先日香港で開業したそうですが、2時間待ちの場面もあったようで、話題になっているようです。海外比率もまずは3割にしていくと発表しています。
<<日本人が多く住むあたりにできたバンコクのドンキホーテ、安い!安い!だけでは、ちょっと。。。>>
アジアの人々は、日本のモノが好きではあるけれど、決して押し付けてないところMUJIやユニクロが評価される理由かな~と思ってみています。簡単ですが、小売業の海外進出についてまとめておきました。
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