一般社団法人日本惣菜協会から惣菜白書の発表あり、2023年度の惣菜市場が10兆9,827億円と前年を4.9%伸びたことが報告されました。人口減少とはいえ、高齢化、単身世帯の増加、生活スタイルの変化を背景に、惣菜への需要は、底堅いものがあります。
<< 2006年来の惣菜市場規模(兆円)推移と前年伸び率(右軸 %) >>
(食品スーパーのシェアが伸長)
なかでも、惣菜の販売市場において、食品スーパーにおける惣菜の伸長が注目されます。惣菜専門店、デパ地下よりも、食品スーパーあるいはコンビニエンスストアで惣菜がより購入されおり、特に、食品スーパーでの惣菜の市場は、2014年比で141.8%伸びています。惣菜は、スーパーマーケットのカテゴリーの中でも利幅がとれ、また競合店との差別化の要点としても、各社力を入れている部門であり、どちらのスーパーマーケットも売り場にその戦略が具現化されています。
<<惣菜で定評あるヤオコーの惣菜売場、北京ダックまで並んでいます。(武蔵浦和店)>>
同協会の総会があり、基調講演で、新潟エリアで、原信やフレッセを展開するアクシアルリテイリング株式会社代表取締役社長 原和彦氏が話をされました。同社の緻密なTQM(TOTAL QUALITY MANAGEMENT)活動がテーマでしたが、頻度高いサラダ、出汁を使って塩分を抑えた惣菜(新潟県は塩分摂取量高め)など、地域、顧客のニーズをしっかり分析され、惣菜を高頻度開発・販売と、惣菜部門へ力の入れようについても触れておられました。
(調理麺が人気)
惣菜のカテゴリー別に見てみると、米飯や一般惣菜(おかず)以上に伸びているのが、調理パンと調理麺です。気軽に食べられることが人気の要因であろうかと思われますが、昨年夏の酷暑、あまりに暑くて、冷たい麺ばかりすすっていた私個人の経験を思い出しますが、気候とまんざら関係なくもなさそうに思います。
需要はあるが、人手不足が永遠の課題の惣菜業界。今後ロボットやAIの導入などで、
新たなプロセスラインにシフトしていくことと思いますが、一方では、容器包装や食品ロスなど環境問題にも対峙していく必要があります。また、人口減少、海外市場にも目を向けてほしいものと思います。外食業は、投資コストも少額なため、今や米国、アジアと進出が盛んです。一方、惣菜業は、未だ内向きですが、いち早く実習生を受け入れ、また、特定技能資格で、外国人が製造の場で研鑽されており、人材育成は、それなりに進行しています。これらの人材を活用しないテは、ないようにも思います。
(参考)
、