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post by Fumi Michihata
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「ドーンドサッ」のアメリカ食文化、量が求められる時代

2024年6月24日 08:37 - Miki Michihata
6月前半、米国のシアトル、ポートランド、そしてカナダのバンクーバーと、巡ってきました。シアトルで開催されたスマートキッチンサミット(SKS2024)が主目的。ポートランドは、友人とともにあちこちスーパーやワイナリー巡り、と散財旅でした。

 話題になっている物価はというと、ビッグマックが約8ドル、ポテトとドリンクをつけたら12ドル超え。日本のメディアでは、円換算で2千円や~!と、自国の通貨価値の低下を自虐ネタで騒いでいますが、なにを言いたいのでしょうね。スーパーマーケットの食料品価格を見ると、ものによりますが、2022年より約1.6倍の値上がり、そして人件費が、時給15ドルが20ドル、25ドルへと約2倍(これも場所によりけり)になっていることから、5ドルだったビッグマックが8ドルになるのは、FLコストを計算すれば、ごく当たり前のことです。

 この間、住宅金利も、2021年に2.96%ほどだったものが、2024年は7,14%と大きく上昇。収入も上がっているのでしょうが、バーガーコンボで12ドル、家族4人でファストフードは、ゲンナリしますよね。人件費の上昇分が、外食価格に反映されているとなると、家庭で調理して食べたほうがいいよね、となるのは、当然のことです。
毎夜、レストランやケータリングを利用できるお金持ちは別として、多くの家計が節約モード。Restaurant Business誌 2024,5.17の記事には、「ファストフードに嫌気さしてウォルマートに向かう」とあります。ウォルマートだけでなく、高級スーパー以外は、原材料や加工品は、量単位でみれば、まだまだ日本より割安(アメリカは豊かです)です。

調理といっても、Ready to Heat型の食肉をドーンと焼く、野菜は、カット野菜などをドサっと盛る、「ドーンドサッ」で、多くの食卓が出来上がるアメリカのキッチン(偏見でごめんなさい)。元々の文化ではありますが、こういったスタイルが、パンデミックに定着したのではないかと、勝手に推察します。
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<<シアトルのちょっとアッパーなスーパーQFC オーガニック野菜とかなんとか、より売れるのは、カット野菜>>

確かに、SKSに出てくるような、レシピと連動するセレビリティ家電の需要もあるでしょうが、主流は、「ドーンドサッ」スタイルが主流。改めて、食べる量も、我ら日本人とは違います。量も求められます。最近は、日本でも、食べたい分だけ小容量・個食のニーズもありますが、最近、大容量が見直されています。ローソンの47%増量は、大好評のようですし、セブンイレブンでは、千キロカロリー超えお弁当も好評と。スーパーマーケットでも、肉の販売も大容量が目立ちます。このインフレ、先行き不透明感ただよう社会では、質も大事ですが、「たくさん」が求められるようになっています。

今回利用したJAL運営のLCCである、ZIPエアの機内食の量が多かったです。LCCゆえ、チケットを購入した時点で機内食を選ぶのですが、2択しかありません、行きはスパイシーカレー、帰りはラビオリ。配給は、この1品目とペットボトルの水だけ!追加は、カップ麺でも、ビールでも、ご購入くださいのしくみです。十分です、、、食べて見ると、味は悪くない、そして、量が多くて、最後まで食べきれないほど。これなら、クレームも出ないなぁ~と、ZIPエアのマーケティングチームの優秀さ感心しておりました。

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<<ZIPエアのバンクーバーからの便の機内食、マッシュルームのラビオリがめちゃ美味でhした。量もたっぷりで、お金を使い果たした身には、ありがたや~。>>

こんな厳しい時代は、ボリュームは大事な要素になってきます。

この記事の執筆者:
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道畑富美
「ドーンドサッ」のアメリカ食文化、量が求められる時代
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