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post by Fumi Michihata
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惣菜をポチる

2024年4月30日 08:34 - Miki Michihata

日本冷凍食品協会によると、2023年度冷凍食品市場、生産量は、前年比96.7%とダウン。生産額の方は、価格上昇もあってか、102%の伸びでした。同協会による「冷凍食品の利用状況"実態調査」という消費者アンケート調査においても、冷凍食品の利用頻度が、わずかながら、減少しています。同協会による「冷凍食品の利用状況"実態調査」という消費者アンケート調査においても、冷凍食品の利用頻度が、わずかながら、減少しています。が、品目別に見ると、素材系はダウン、調理済み冷凍食品や菓子類が伸びており、即食性の高いものは、伸びています。

 先の実態調査では、残念ながら、EC(オンラインショッピング)での購入についての調査はないのですが、調理済食品(惣菜)のオンライン購入、売り場の動向や企業へのヒアリングなどから、伸びているようには思います。多くは冷凍か冷蔵になり、送料もかかり、一度にたくさん購入しないといけないのが、購入を躊躇うところですが、新興の冷凍食品のサブスクは、かなり広告費をかけて拡販しています。例えば、NOSHや三つ星ファームなど、若い世代で、もうこれしか食べないという人も多いのではないかと想像します。また、最近は、日清食品の「完全めし」や味の素の「あえて、」など、大手企業によるD2Cサイト向け商品、おもしろいものが、たくさん売り出されています。また、外食チェーンの冷凍食品通販もお店と同じ味が楽しめていいですね。昭和のファミレス好きには、ロイヤルホストのロイヤルデリは、時々利用しています。

調理済食品(惣菜)のオンライン購入については、データもあまりありませんが、経産省による「2023年度 電子商取引に関する市場調査」においては、 食品、飲料、酒類分野の取引額は、2兆7505億円、EC化率4.16%と伸びていますが、同報告書では、ネットスーパーによる伸びが貢献しているとしています。

最近は、大阪ガスブランドの、Fit Dish が目にとまり購入してみました。こちらは、チルドの惣菜で、和洋中の料理が40種類ほど揃い、家族構成や好みから、選べる仕組みになっています。大阪ガスが、なんで惣菜?!とびっくりしますが、同社が長年続けているクッキングスクール監修とのこと。大阪ガスは、その昔、冷凍うどんでおなじみのキンレイを傘下にしていたこともあり、この際、オージーロイヤルといって、ロイヤルホストのフランチャイジーでもあったことがあり、食品分野は、全く無縁でもない企業。過去の歴史はさておき、当の商品は、チルドなので、野菜の食感もよく、加熱時間もレンジで1分と、冷凍食品の残念な点をクリアしているのもよいところ。レンジだけでなく、もちろんガス火で湯煎での加熱も可能。チルド惣菜は、静岡の知久屋もオススメ。極力、添加物を使用しない方針をとられています。また最近では、デパ地下惣菜のまつおかのチルド惣菜を試す機会もありましたが、肉も野菜も食感よくよいです。

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<<Fit Dish レンジでも湯煎でも対応しています。加熱時間1分がミソ。>>

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<<静岡浜松で、地域密着の「知久屋」は、添加物を使用しない惣菜をと、工夫され、農業にも参入されています。>>

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<<現在は販売されていませんが、デパ地下で名古屋惣菜「まつおか」のチルド惣菜、こちらは名古屋地区限定で販売されました。>>


チルド惣菜は、賞味期限は1ヶ月と短いのですが、やはり食味よく、今後どう展開されていくのか、興味深いです。提供する側からみれば、品質管理面、賞味期限の長さから、冷凍のほうが管理しやすいであろうかと思いますが、今後、追随する企業がでてくるでしょうか。包材も簡略に、数量限定で、地域密着型のECも、今後期待できると思います。

最後に、これら惣菜、私自身よりも一人暮らしの母に購入することが多いのですが、意外と、「量が少ない」という声も。他にも、一人暮らしの親を持つ、同世代の友人たちも、同様の声が、、年寄だから量は少なくていい、というのは、幻想のような気もします。このたりも注意が必要、今後は、日本全国広くでなくとも、客層をしっかり定めて、求められる質と量、そして求められるタイミングで、しっかりマーケティングが肝要です。

 

この記事の執筆者:
Foodbiz-net.com
道畑富美
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