foodbiz.asia

post by Fumi Michihata
report

サイゼリヤ、辛味チキンが家で食べられる!

2021年7月 9日 14:33 - Miki Michihata
オリンピックは開催されるようですが、東京都は、この機に緊急事態宣言下におかれ、一大イベント、お盆、夏休みという絶好の書き入れ時に、飲食店は自粛を強いられることになりました。政治・行政の不合理についてはコメントしませんが、外食企業は、何とか売り上げの確保をと、したたかに頑張っています。

 このブログでも、外食のロイヤルホールディングスはじめ、外食企業が店で出しているメニューを冷凍食品化し、オンライン等で販売していることを紹介してきています。またスシローのように、売り場をお客さんのアクセスのよい駅ナカ立地に移動したり、店内に冷蔵ロッカーをおいて、従業員の手を煩わすことを最小限にテイクアウトを導入したりしています。

 昨年の11月のことで、古い話になりますが、フードサービス学会の研究会で、吉野家、すかいらーく、サイゼリヤのテイクアウト・デリバリーの状況を聞きました。もう時効ですから、書いてもいいと思いますが、昨年の初回の緊急事態宣言の時は、吉野家で従来の3倍のデリバリー注文があったとか。立地にもよりますが、テイクアウト、デリバリーの需要が急増したのは確かで、NPDジャパンの資料によると、2020年のデリバリー市場は約6.3千億円と、前年の1.5倍になりました。

 ただ、これら三社の話を聞くと、店内で飲食サービスを提供している場合には、テイクアウトのお客様への対応、デリバリーの配達員への対応と、3つの対応動線が入り乱れ、オペレーションが、売上の1割も超えるとかなりしんどいのだそうです。というわけで、各社、ゴーストキッチンではないですが、持ち帰り専門店を模索しているという話をされていました。特に、住宅立地など、今まで出店してもうまみがないような立地に可能性ありと。
そういえば、最近は王将が持ち帰り専門店をオープンしています。最近、サイゼリヤが従来の半分の規模で、練馬区赤塚にテスト店を出しています。行ってみると、食事もできますが、店で使っている冷凍の食材、そのままが売られています。バックヤードで使ってるそのままの姿です。袋に入ったまま!うーん、サイゼリヤらしさを感ずるところですが、、、こういうやりかたもありか、、と。

IMG20210707114738.jpg
<<>地下鉄有楽町線赤塚駅上、川越街道沿い 25坪くらいかなあ~>>

karami_chicken_saizeriya_20210707.jpg
<<手羽先は40ケ入りで2200円だったか、食べきれないので、こちらを購入。価格設定がなんとも絶妙です。>>

今後、外食の意義も変わっていきますね。こうやって、冷凍にして、時間や距離を越えて、メニューを家庭などで味わってもらうこととも、ひとつの外食のビジネスになりそうです。
というような話を、来週7月15日(木)大阪のフクシマガリレイ主催のGALILEI EXPO2021において、プライベートセミナーとして講演いたします。オンラインでも聞けますので、よろしかったら、どうぞ。


この記事の執筆者:
Foodbiz-net.com
道畑富美
サイゼリヤ、辛味チキンが家で食べられる!
  • 気に入ったらいいねしよう!
    FoodBiz.asiaは、広い視点でアジアの外食ビジネス情報をお届けします。