foodbiz.asia

post by Fumi Michihata
report

ミレニアルズ世代の消費、大人の下心

2018年8月 6日 23:53 - Miki Michihata
 ミレニアルズ世代、最近よく聞くようになりました。このブログでも、2014年から記事を書き始めています。 改めて、ミレニアルズは、2000年以降成人になった世代(つまり1980年~2000年まで生まれの世代)を指します。先日NYでの食品見本市でも、さまざまな場所で、Millenialsやi-Generation(Z世代ともいい、インターネットとともに生まれ育ってきたデジタルネイティヴ)という新世代の消費が、キーワードとして挙がっていました。米国ではミレニアルズ人口の多いこと(7100万人 全米人口の約4分の1)、若者ということだけでなく、2019年には、今まで多数派を占めていたブーマーたちを超え最大多数派となり、今後20年、30年と長いスパンでそのシェアはゆるぎないものであることが予測されているので、各業界がミレニアル世代を注目しています。 

ミレニアル世代は、ソーシャルメディアで情報を得たり発信したり、仲間とつながる。自分も大事だけど,環境や倫理も大事。社会をよりよくするための活動や企業に共感し、ブランドを選び,消費をする傾向が強いと言われています。食品分野で言えば、植物由来のもの、牛乳でなく,豆乳やアーモンド,米のミルクなど。もっと突き詰めるとベジタリアンやビーガンと言った志向にもつながります。
FancyFoodShow_State of Food Industry.JPG
<<Fancy Food Showのセッションから、脇でどんどん図式化していくのは、truscribe.com さん、このワザもすごい!>>

 米国では、食肉業界やファーストフード業界への批判は、2001年に出版された「Fast Food Nation」に始まり、数多くの本が出版されています。なかには日本で翻訳されているものもあります。 「Omnivore's Dilemma (邦訳 雑食動物のジレンマ) 」で、食肉の先にある穀物、特にコーンに焦点を当て、工業的な食料生産を明らかにした、ジャーナリストMichael Pollan(マイケルポラン)は、.批判だけではなく、自身もローカルな循環社会の中で食生活を実践しています。また、「Food Inc」 、先の「Fast Food Nation」などに代表されるセンセーショナルな映像(映画)もガンガン世に出回り、私の友人にも影響を受けている人が少なくないです。

話がそれました、大量生産・大量消費型の社会やそれにかかわる企業へのネガティブな意識とは反対に、ミレニアル世代は、ローカルなもの、植物由来(Plant Based)のもの、またエシカル的な意味合いも含めて、クリーンラベルというところにきているのでしょう。これも食品業界がつくったある種、宣伝文句であるとも思いますが、、、

先日、明治大学の大石芳裕研究室とマーケティング調査会社のドゥハウスによるミレニアルズ勉強会に参加させてもらいまして、ミレニアルズ世代、日米中タイの4ヵ国比較した調査結果を聞きました。4ヵ国とも、ミレニアルズ世代において高いとされる健康意識や環境意識は、意外と上位世代の方が高いという結果がでていて、ミレニアルズ世代って何??特別、健康意識が高いわけでもないやんという結果でした(必ずしも全部が該当するわけではありません)もちろん、まだそれほど上位世代ほど経済的な余裕がないからか、新たな消費の潮流をつくっていく年齢に達していないのか。。

 特に、翻って、日本のミレニアルズ世代は、米国で言われているほど勢いがないなあというのが実感です。なんといっても少子化に起因するところが大きいですね。今や1年に日本で生まれる子供は、百万人を切り、ミレニアルズ世代は、1年100万人と数えても、たった2千万人。団塊の世代は、3年で1千万人位いますから、未だ消費の主役として君臨するわけです。ただ、なんでもかんでもお金も時間も持っているシニア世代向けというのもツラい。ミレニアルズという言葉には、大人の下心がミエミエだなあと思いつつ、これからに期待したいところです。

redplanet hotel.jpg
<<タイ発、ミレニアルズ向けというレッドプラネットホテル、シンプルデザイン、ユニクロユニフォーム>>


参考資料)

本サイトのミレニアルズ関連記事




この記事の執筆者:
Foodbiz-net.com
道畑富美
ミレニアルズ世代の消費、大人の下心
  • 気に入ったらいいねしよう!
    FoodBiz.asiaは、広い視点でアジアの外食ビジネス情報をお届けします。