グローサラントと話題の成城石井調布店に行ってきました。惣菜の品揃えは、素晴らしいですが、グローサラントたる部分のイートインスペースがちょっと残念なことになっていました。5坪ほどの小さな厨房には、調理スタッフがあふれ、パック詰め惣菜の調理、カフェスペース向けのハンバーグステーキ(私の注文)の調理で大忙し!熱々の料理を提供することを狙ったものと思われますが、なんともどっちつかずの状態になっていました。ハンバーグ、パンは、チーンで調理、サイドメニューのミニサラダは、、、
<<生鮮肉、魚と野菜のレンジ加熱惣菜も品揃え増強中です>>
グローサラントの定義とは、城取フードサービス研究所の城取先生に伺ったところ、"リテーラー+ガストロノミー(美食学)"であると、先日のドイツでのANUGA事務局にインタビューされた際のコメントだそうです。美食、食文化、マナー、素材と調理、全部をひっくるめて提供できなければ、グローサラントの意味はなさない。惣菜をチンして提供するのなら、それは「イートインスペースを設けただけ」にすぎないと。今日本で言われるグローサラントとは、その場で食べてごみを持ち帰らなくてよかったね~、程度のもの。実現している例と言えば、イタリア発のEATALYくらいでしょうか。NYやChicagoのEATALYは、ほんとかっこい、飲んだり食べたりするお客さんまでもガストロノミーの雰囲気です。
グローサラントには、出来立てを提供するという外食のバックシステムが必要になってきます。惣菜のオペレーションと外食のそれとは全く違います。コストの考え方も違いますし、外食から惣菜、惣菜から外食と手を出して、あまりうまくいっている企業は実は少ないのではないかと思います。スーパーマーケットや惣菜企業がグローサラントやるには、外食の知恵も必要ではないかなと、現在、グローサラントと言われている業態をみると感じます。
グローサラントとは意味合いが違うかも知れませんが、スターバックスは、イタリアの高級ベーカリーPrinciを展開し始めています。グローサラントやるなら、ブランド買っちゃえ!手っ取り早い方法ですね。それもありかな、ただし、スターバックスは、過去に高級ベーカリー La Boulangeに投資し、店舗展開を進めていたのにかかわらず、クローズしてしまった経緯もあり、イメージを高めてくれる高級ブランド業態は、それなりのこだわりもあり、両社の意思統一をするのが難しい部分もあるのだと考えられます。
いずれにしても、グローサラント、一業態開発・開業する気概がないと中途半端な結果に終わってしまいます。
Wall Street Journal 2017.11.7記事 "Starbucks to Open Princi Bakery Inside Seattle Roastery"
Foodbiz.asia 内のグローサラント関係記事
2017.2.28 「スーパーマーケット白書より 米国のグローサラント現象まで」
2017.7.19「大人のフードコート、FOOD HALL」