ここ数年、フードホールという業態があちこちでお目見えしています。オックスフォード辞典によれば、フードホールの元来の意味は、百貨店内で食品を販売する大きなスペースとありますが、今のフードホールとは、飲食物を売る店が集まり、そこでは、情報があり、顧客は食を選び、購入し、食べて、飲んで楽しむという業態を指します。ファストフード的なイメージが強いフードコートとは一線を画し、大人向けであること。わかりやすいのは、イタリア発のEATALYといえば、なんとなくおわかりになるのではないでしょうか。
<<シカゴのEataly 座っているお客さんたちが絵になります>>
いくつかの食情報誌の記事を見ますと、フードホールの条件として、以下の3つが挙げられています。
(1)規模の大きさ ホールですから、室内が基本で、天井も高く、様々な食シーンを提供すること。
(2)フードホール内でのコミュニティー 通常、ホール内は、様々な飲食提供者が出店をしています。この提供者間の協力関係があること、そして、もちろん利用する顧客間でもコミュニティーが作られること、会話も大事ですね。
(3)常に発見があること 短期的な出店も可能であるので、様々な飲食の提案がっできる、何度来ても飽きないこと
日本のEATALYは、代官山の一号店はすでになく、その後パッとしません(今後都内で大型店を計画もあるようです)も、ニューヨーク、シカゴにあるEatalyは、めちゃかっこよく、イタリア食文化の集積地であり、また人々が楽しく集う場として、確立されています。
欧州でも、いくつかおもしろいものを見かけました。ロッテルダムのマルクトホール(マーケットホール)。巨大紅白かまぼこのような建造物。かまぼこの外側赤い部分は、なんとマンションになっており、かまぼこの中心部がフードホールになっているという斬新なコンセプトです。
<<天井と壁面に描かれた絵も斬新。バスク料理レストランは人気のようでした>>
ストックホルムのÖstermalm Saluhallも、もと市場だったようですが、改装して、巨大フードホールになっており、皆、昼過ぎくらいからわいわいと楽しそうな雰囲気です。コペンハーゲンのTorvehellerne などもマーケットであり、飲食も楽しめる場として、人々でにぎわっています。
<<ストックホルムのÖstermalm Saluhallは、大人の雰囲気>>
<<デンマークで一般的なオープンサンドの店も多い、多種類のリキュールが並ぶ店>>
オランダ、北欧といった、伝統的に食のバラエティが少ない国々で(こそ)、こうしたフードホールが盛んになっているものおもしろい現象です。日本でも、フードホール計画があちこちから聞こえてきますが、かっこよいものができることを楽しみにしています。
オランダ、デンマークの子育て、食育てについて以前、子育て情報サイトに書いたもの、HAPIKU(オランダ編)、(デンマーク編)の記事もご覧ください。