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post by Fumi Michihata
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スーパーマーケット白書より 米国のグローサラント現象まで

2017年2月28日 22:53 - Miki Michihata
 2月20日、一般社団法人新日本スーパーマーケット協会より、「スーパーマーケット白書2017」が発行されています。
スーパーマーケットの概況としては、昨年秋からの青果物の高騰で、何とか売上が上がっているようですが、客単価は上がっても客数は増えないようです。人口減、高齢化、また、社会保険や税金などで可処分所得は下がる一方という消費者、そして同業種あるいはコンビニ、ドラッグストアなどの他業種との競合などの外的環境に加え、人手不足、人件費高騰などの内定な課題もあり、スーパーマーケット業界にとって、あまりいい風は吹いていないようです。

(SNS映えしないスーパーマーケット)
 この白書は、調査会社のインテージが受託していて、興味深い消費者アンケート調査が掲載されています。SNSとのスーパーマーケットの絡みについては、あまり親和性なしと。確かに、スーパーマーケットの売り場、そこからつながる内食というのも、あまり絵にならないし、SNS映えということについては、外食に軍配があがります。
 決まったスーパーで買うかという顧客のロイヤリティについての調査がありますが、生鮮品や加工食品については、ある程度決まった店があるが、弁当・惣菜や飲料、スイーツについては、スーパーマーケットが選ばれることが少ない。こういった欲しいときが買いたいとき商品は、コンビニに流れてしまうのは当然でしょう。

 正直、私も公私ともにスーパーは大好きですが、今のところ、大手食品スーパーに関しては、強烈な差別化やメッセージ性も感じられないのです。いくつか魅力ある食品スーパーもありますが、今後はコンビニやドラッグストアとの競争といかに打ち勝つためには、他者とは違うところが求められます。

(グローサラント現象は日本に導入されるか)
 消費税増税を見越して、食品などには消費税の低減税率が適用されるスーパーマーケットは、外食より有利と、こぞって、イートインスペースを設営したスーパーマーケットも多かったですが、消費税増税が、2019年まで延期され、惣菜購入してもらいその場で食べてもらうという目論見が外れてしまった感ありのスーパーマーケット。

 でも米国では、すでにスーパーマーケットのレストラン化(グローサラントと呼ぶそうです)が進みます。Whole Foods MarketやWegmansなんてくつろぎの空間。最近は、ウォルマートがオーガニックレストランを併設したり、ホールフーズマーケットがブラジル料理のファストカジュアル業態を併設する計画など、、盛り上がっているようです。
Chicago_Eatly.JPG
<<食を楽しむスーパーマーケットともいえる、Eataly>>

 成城石井が、ワインバルを併設する店舗を5店舗展開していますが、まさにグローサラントかと思います。値ごろ感あり、見たものがそのまま食べられるのは、魅力。スーマーマーケット頑張れ!

参考記事

グローサラント勃興!
Eater  2017.2.20 The Rise of the Grocerant'  

フロリダのウォルマートにオーガニックレストランオープン
Restaurant Hospitality News 2017.1.30
 



この記事の執筆者:
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道畑富美
スーパーマーケット白書より 米国のグローサラント現象まで
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