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post by Fumi Michihata
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スーパーマーケットは脱皮を。スーパーマーケット白書から

2019年2月24日 20:22 - Miki Michihata
 今年もスーパーマーケットトレードショーが開催され、私も一日中歩き回っておりました。同時期、スーパーマーケット白書が、一般社団法人全国スーパーマーケット協会から発行されますが、売上は生鮮品など食品の価格に連動、つまり主体性がなく、客数は減少の一途をたどっています。

 大手企業(同白書では、売上500億円以上と定義しています)寡占化が」進み、中堅企業ではうまく売上を伸ばし、利益を拡大するのが難しくなっているとあります。あちこちのスーパーマーケットを見る機会がありますが、目に見えて、勝ち組負け組がはっきりしてきています。スーパーマーケットを巡る買収・提携劇もびっくりするような規模のものが多いですね。昨年秋の、ドンキホーテによるユニーの買収。また 続いて北海道・東北を基盤とするアークス、中部圏のバローホールディングス、中国・九州のリテールパートナーズの強力3社が業務資本提携するなど、厳しい環境を物語っています。

 すでに買い場(消費者からしたら)は、変わっていて、GMSやスーパーマーケットから、コンビニ、ミニスーパーそしてネットへとシフトしているのに、スーパーマーケットは、アクションなしです。ちょっと前までコンビニはスーパーより高価だと思われていましたが、恐ろしい勢いでよりおいしく開発される惣菜と安価になるPB商品で、スーパーに行かなくてもいいわ、となります。時間帯もありますが、最近は、お母さんが子ども連れで来て何食べる?と今夜の夕食を物色していますし、レジかごいっぱいに、カット野菜に惣菜、おかしなどを買い物している若い女性もいます。従来のスーパーの機能が、コンビニにとって替わっています。ミニスーパーのまいばすけっとも、最低限のものは揃っており、あの小さい店をぐるりとすれば、だいたい間に合うのです。ここだけみても、スーパーの落日は明らか。
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<<ミニスーパーながらR-1ヨーグルトの大容量パックを売ってる 賢い!まいばすけっと>>

 先月も書いたばかりですが、米国のウォルマートは、恐ろしいスピードでよみがえりました。体育館をいくつも並べたような広い店、誰も行かんわ、と昨年夏までは思っていました。ネット注文、ピックアップ、宅配、不得意分野は、さっさと金に飽かして提携(マイクロソフトと提携しています)と買収、そしてその分野の優秀な人材を招きいれ、なんとかアマゾンに追い越されまいとしています。そして、実に昨年11月から今年1月までの四半期、売上を1.9%伸ばし1,388億ドルにし、なんとeコマース売上は、43%増、同社の運営するホールセール業態Sam's Clubもeコマースは21%アップという実績です。
 
 日本のスーパーマーケットは何を目指したいのかなあ。最近都心にもいくつか食品スーパーがオープンしていますが、惣菜を充実させているのはよくわかりますが、いつでもだれもが惣菜を求めているわけではありません。なにか違うなあとワクワク買い物する気にならないのです。忙しい人たちがわざわざ足を運ぼうかという動機付けにはなりづらいですね。
とはいえ、ユニークな業態もたくさんあります。大容量低価格の業務スーパー、会員制でわけあって安いのオーケー、生鮮品が新鮮で豊富な品揃えのオーゼキ、スーパーマーケットと呼べるかどうかわかりませんが、レジャーランドのドンキホーテ。ほかとは違う品揃え、鮮度、品質で、魅力的なスーパーマーケットを待ってます!
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<<OKストアの会員に対する割引、なぜ安くできるのかを説明するオネストカードも素敵です!>>

Walmart 2019.2.19 release   "Walmart U.S. Q4 Comp Sales(1) Grew 4.2% and Walmart U.S. eCommerce Sales Grew 43%, Q4 2019 GAAP EPS of $1.27"

Foodbiz.asia 2018.2.18  「スーパーマーケットの使命を忘れないで 2018年スーパーマーケット白書から」 

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<<お客様はつねに、何があっても正しいんだ!という米国Stew Leonardの店頭にある石(意志)>>
この記事の執筆者:
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道畑富美
スーパーマーケットは脱皮を。スーパーマーケット白書から
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