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中食市場は10兆円超に - 2018年惣菜白書

2018年6月 9日 16:41 - Miki Michihata
一般社団法人日本惣菜協会は、5月下旬に発刊した「惣菜白書」において、2017年の中食市場は、10兆555億円であると発表しました。惣菜専門店、食品スーパー、総合スーパー、百貨店、コンビニエンスストアなど100社、6万6,561店による調査から算出したものです。単身世帯の増加、女性の社会進出などを背景に、惣菜市場は成長が見込まれています。販売チャネルをみると、コンビニエンスストアが存在感を増しており、2017年度のシェアは、32.1%です。また、商品の別では、低温で殺菌し、冷蔵温度帯で1ヶ月ほど保存がきく「袋もの惣菜」シェアが増えています。コンビニエンスストアの袋物惣菜の圧倒ぶりを見れば、一目瞭然ですよね。
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<<袋もの惣菜だけでしばらく暮らせそうなくらい多彩な商品が揃ってます>>

惣菜白書では、従来惣菜を販売している主要なチャネルが対象となっていますが、いまでは、売り場も、販売や包装の形態もどんどん多様化しています。ドラッグストアでもお弁当やおむすびが購入できますし、ドン・キホーテのようなエンターテイメント性の高い小売店での販売も見逃せません。同白書の調査対象となっていないチャネルを含めると、中食市場は、もっと大きな数字になるのではないかと思われます。
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<<赤坂に先月できたドンキホーテ、激安弁当の売り場>>


さまざまな人が、色々な場面で惣菜を利用していると思いますが、さて、だれが買っているのか。家計調査を見てみると、どの層も調理食品への支出は増えています。特に、働いている単身者が利用する割合が高いですね。2017年の家計調査においては、勤労単身世帯の平均年齢は、42歳、外食率も高くて、食費の約38%を外食に使っています。

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<<家計調査から作成 食費に対する調理食品への支出の割合>>

 順調に中食市場は拡大していくことは、予想されますが、その推進力となったのは、こういった単身世帯や核家族世帯数の増加です。が、今後は、世帯数も減少していくという予想が、国立社会保障・人口問題研究所から出されています。人口減少、高齢化などに、中食業界も直面することでしょう。更なる成長を続けるには、食味の向上、より健康訴求、またより簡便であるなど、、付加価値の高い惣菜の開発が求められていくことでしょう。

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<<中食市場推移とその伸び率、「惣菜白書2018」から作成>>


中食市場について、書いた同ブログ記事。
2017年5月24日 「中食市場、10兆円間近!惣菜業界は、バックシステムの大きな変換を!」

2016年8月2日 「外食市場微増、中食市場激増!」

この記事の執筆者:
Foodbiz-net.com
道畑富美
中食市場は10兆円超に - 2018年惣菜白書
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