先月、一般社団法人フードサービス協会から2015年度の外食市場規模が発表されました。
前年比 2.2%増加し、25 兆 1,816 億円と、訪日外国人の増加と起業交際費の増加が寄与しているとコメントされています。訪日外国人数、2千万、観光庁の訪日外国人消費動向調査によれば、滞在中に、飲食費を平均32,000円使うとのことですので、単純に計算すれば、訪日客のよる消費は、約6千億円、そのうち約3分の2を外食消費とすれば、2千億円くらいでしょうか。企業の交際費の方は、約3兆円で2015年度は微増というところ、交際費の3分の1が飲食費としても、1兆円、確かに、見逃せない額です。
(意外と順調、食主体外食市場)
外食は、アカン、アカンと言われながらも、ここ数年は検討しています。フードサービス協会(食の安全安心財団、その前は、外食産業調査研究センター)による外食市場調査は1975年から、2015年度で40年となるわけですが、市場規模の推移を業種別にしてみました。
<<Change of Japanese market in volume for dining out and take out meals>>
最も上にある薄い緑のバーは、中食を示しますが、順調に伸びていますね。後述します、。本調査が始まった当時の分類なので、酒主体かどうか(キャバレーというのも入ってます。今日(8月5日)の日経MJですかいらーくの創業の横川四兄弟のおひとり、横川きわむ(漢字が出てきません、失礼します!)さんが「HISTORY~暮らしを変えた立役者」という連載に登場されていますが、兄弟で始めたスーパーが、西友の進出により立ち行かなくなり、商売替えをと、考えたのが、キャバレーか飲食店だったと、、回想されていますが、この当時は、キャバレーというのは、なんとも花形的なビジネスだったのですね。
話が大きくそれましたが、改めて見てみると、食事を主体に提供する飲食店(一番下の青いバー)は、外食市場規模が頭を打ったという1997年からもそれほど下がっていません。やはり、お酒が主の業態、また事業所給食に宿泊業態が著しく減少の一途をたどっています。旅館の衰退も市場衰退のひとつでしょう。
なんだかんだ言われても、「外で食事を食べる」業態は、順調に市場を伸ばしています。もちろん、ここには、テイクアウトの売上も含まれます。この統計がスタートした40年前とは、外食事情もがらりと変わっているので、そろそろこのカテゴリーも見直しの時にきているかもしれませんね。
(中食市場は?)
さて、そのテイクアウト、中食市場ですが、世帯の少人数化や女性の社会進出などを背景に順調に市場規模を伸ばし、一般社団法人惣菜協会が5月に発表したところでは、2015年度の9兆5881億円(*)、同協会では、どこで惣菜を買うかと、惣菜専門店、食品専門スーパー、GMS、百貨店、コンビニと5つのチャネルで統計を取っていますが、シェアを伸ばしてきたコンビニチャネルが、最も大きなシェア、30.7%を獲得しました。食品専門スーパーも同様にシェアを伸ばしてきています。
米国でも、2008年から2015年、外食マーケットは、4億7千万ドルの売上を減らし、小売部門の食品スーパーでは、6億1千5百万ドルの売上を増やしているそうです。
米国のスーパーの惣菜の品揃えは、驚異的。家では、調理しないし、いろいろ買ってテイクアウトしたほうがいい。しかも、最近は、イートインスペースも充実しているし、アルコールが飲めるようなスペースもあります。
数年前、NYのコロンバスサークルのWholeFoodsMarket のイートインスペースでビール飲んでたら、アカンよと言われましたが、州によるのでしょうけど、カルフォルアの同店では、この通り。昼から飲んでいる人たちも見かけます。
外食と中食の競合とか、言われますけど、、、消費者の視点に立った統計も必要になっています。
(参考サイト)
一般社団法人 フードサービス協会 外食市場動向
観光庁「訪日外国人消費動向調査」
*)日本惣菜協会とフードサービス協会のデータは、市場規模算出の方法が異なり、数字が一致していません。
米国の数値は、友人のfacebookサイトにあったテレビの映像から、、ちょっと探してみます。 Great Thanks for Linchi Kowk, professor of Cal PolyTech Univ.