昨日2月26日、奈良の大和郡山で、青果物事業を縦へ横へと展開するフルックスグループさんが年に4回開催している「惣菜のわかる八百屋塾」にパネラー&モデレーターとしてお話しさせていただきました。奈良の田舎(笑)に、全国から200名もの参加者があつまる勉強会になりました。
基調講演は、わらべや日洋ホールディング株式会社の妹川会長、同社はいわずとしれたセブンイレブンの大ベンダーです。同時に日本惣菜協会の副会長も務められています。そしてコープこうべの環境推進事業を統括されている益尾大祐氏、フルックスグループを率いる黒田久一氏をパネラーに、食品ロスをテーマに熱いディスカッションが進みました。
食品ロスが生じる原因は、いくつかありますが、今回のパネルディスカッションは、惣菜など日持ちしない日配品の食品ロスが焦点です。先日も恵方巻の大量廃棄が話題になり、業務に関係しない消費者のみなさんも食品ロスについて考える機会があったかと思いますが、惣菜の製造の場では、短いリードタイムで、ある程度の見込み生産も必要となる、非常に厳しい現場であります。
食費ロスを低減するため、惣菜分野では、チルド・冷凍、あるいは容器包装の工夫などで、賞味期限のロングライフ化が図られているのは、このブログでも何度も書いておりますが、やはり、大きな課題は、製造する側と売る側が異なることが挙げられます。また会場の皆さんからも、食品ロスの課題について書いてもらいました。あまり数はおおくありませんが、やはり、この受注する製造側と発注する販売側の情報共有に焦点が集まりました。
ほかにも、過度に鮮度を求める風潮、厳格・子細な規格、そしてそれに対する過剰なまでの対応、たとえば3分の1ルールなど、日本ならではの商習慣にも話題は移りました。また廃棄ロスに加えて、機会のロス、売れるはずだったのに欠品していた、過剰な品ぞろえについても問題提起がなされました。
<<参加者の皆さんにも食品ロスの原因についての考えをいただきました!>>
これぞ!という解決方法は見つかりませんが、食品ロスを見える化すること、そしてそれをシェアすること、これは一企業内だけでなく、サプライチェーンにおける企業間、そして消費者も含めた情報共有、コミュニケーションが大事、妹川会長は、恥ずかしいこととされていた「食品ロス」について赤裸々にお話しくださり、そして最後に「企業の経営者、従業員、そして消費者がひとりひとり意識をもって行動することだ」とくくられました。
青果物原料から日持ちしない惣菜を製造・販売そして消費者というサプライチェーンにおいて、業務に携わる第一線のパネラーからの意見交換は、非常に意義深いものがあったのではないかと思います。また会場のみなさんも最後まで熱心に聴いてくださり、すばらしい勉強会でした。
Foodbiz.asia 惣菜のわかる八百屋塾 告知ページ 2019.1.16
Foodbiz.asia 「鮮度至上主義と大量廃棄」 2018.2.14