今年も恵方巻、デパ地下、駅ナカ、コンビニと、例年より一段と増してにぎやかでしたネ。ただ、昨年より大量廃棄やコンビニでバイトに販売ノルマを課すなど、販促行事食似ついて疑問を唱える声も聞こえ始め、今年は、兵庫のヤマダストアというスーパーマーケットが、限られた数しか作らない・売らない、「売り切れごめん」としたことが話題になりました。一日だけ、短期間だけに集中して、同じメニューに向かう異常さは、日本だけのものでもないように思いますが、やはり顕著です。そして、多量廃棄されることは、本当にもったいない話ではあります。
(製販分離、消費者主体性なし)
売る側からすれば、このチャンスを逃したらいかん、食品ロスよりチャンスロスの方がコワい。売る側といっても業態は様々で、製造するだけの惣菜製造業、製造して売る惣菜製造・販売業、あるいは、製造しないで仕入れて売るスーパーやコンビニなどの小売業、、
それぞれの思惑は少しずつ違っているように思います。ただ、どこかでやめたら、うちは置いてかれるというのは共通の思い。私も社長だったら、「作って売りまくれ~」と言っているはず。
買う側からすれば、なにがなんでも恵方巻食べようという主体性はなく、せっかくなら恵方巻でも買おうかなくらいの気持ちではないかと思います。贅沢なことに「目新しいものが食べたい、写真とってソーシャルメディアでいいね!してもらいたい」くらいの気持ちです。恵方巻きでも、なんでもいい、そこまで考えてないのが消費者です。
どっちが悪いんや~、ということではなく、もうちょっとそれぞれ賢くなった方がいいと思います。
(短期決戦型メニューは、やめよう)
バレンタインのチョコレートも、ゴディバの「義理チョコはやめよう」のメッセージの意味はよく理解できませんでした。ゴディバは、義理チョコ程度の値打ちしかないのに、やめたら、売上なくなるでと、陰口も聞こえていましたが、ある意味、「バレンタインは、本命だけに本気モードで取り組めと、バレンタインデー後の大量廃棄に警鐘を鳴らすものであったかどうかわかりませんが、いずれにしても、いっときに、同じものを食べるのはやめませんか。無理ですか?
そして、そろそろ、鮮度至上主義からの脱出を試みるときに来ているのではないでしょうか。冷凍恵方巻きでええやないですか?今や、惣菜も長持ちさせる技術がいっぱいあります。冷凍あるいは、容器包装の技術、温度管理、あるいは、pH調整や静菌技術など...
欧州、特にイギリスやドイツ、フランス、北欧は、レディミールが、スーパーやコンビニの売り場の大半を占めています。先日、奈良のFRUXグループ主催の勉強会「惣菜のわかる八百屋塾」でリテイルライターの太田美和子先生のご講演によると、欧州レディミールの市場は、47億ポンド(7100億円)うち、レディミールが特に発達した英国のシェアは、42%、大手流通業Marks&SpencerやTescoのレディミール売上げシェアは20%以上とのこと。日本のコンビニの日配食品のシェアが36%ほど、、ですから驚くに値しませんが、、
日配食品のほとんどが、製造日プラス1日か2日の日持ちしかないことを考えると、やはりより長く日持ちする食品に転換していく必要があります。と同時に、何度も言いますが、消費者に、食品技術についての理解を深めてもらうことが食の提供者側の責任と思います。
一般社団法人 日本フランチャイズチェーン協会 コンビニエンスストア統計 http://www.jfa-fc.or.jp/particle/320.html
「ロングライフレディミール普及のカギは、消費者のリテラシー」 2016.11月 fruxグループ「惣菜のわかる八百屋塾」講演から
<<コペンハーゲン市内ある食品廃棄を再生するカフェ、昨年のFoodSummitでは、前夜のパーディで残ったパンがビスケットになってコーヒーブレイクに>>