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post by Fumi Michihata
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香港は、世界の食品の主戦場に

2018年11月25日 22:17 - Miki Michihata
 香港に半年ぶりに来ました。いつものように食品売り場を見て歩いていますが、今まで以上に、欧州の食品が増えていることに驚きます。今まで、肉は、オーストラリア、アメリカ、そして日本、韓国産が主流であったところが、スペイン、デンマーク、フランス、そしてアイルランドのラム肉など、あちこちから来ています。まあこれほどまでに集まったなあと、群雄割拠の状態です。加えて、前にも書いたように、香港産、香港製造の食品も増えてきており、香港製であることが優位であるようです。

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<<香港産の鶏肉>>

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<<ノルウェーサーモン対近大マグロ 日本では思いもつかない対決です>>

水産物も、日本製品がよく売られていることで知られるcity superでも、「ノルウェイ産サーモン対決近大マグロ」というPOPを見つけましたが、マグロとサーモンでは勝負できんやろうと思いつつも、欧州勢のマーケティング力のすごさを実感がします。city superといえば、今まで北海道フェアや〇〇県フェアなど、日本食品のプロモーションがよく行われていましたが、若い人が集まるTimes Square店では、北欧フェアが開催されており、フィンランドのオーガニックチキンや北欧独特のベリージャムなど、今までにない提案に若い人が集まっておりました。

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<<なんとフィンランドのオーガニックチキン>>

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<<日本の高いリンゴよりもちょっとだけ安め おフランスのリンゴ>>

 香港は、自由貿易の都市で関税もない、その魅力に気づきガンガンやって来ているということでしょう。そして香港の先には、メインランドの大マーケットが控えている。アメリカと中国との間には、貿易問題がくすぶっているし、いまがチャーンス!21世紀大航海時代の幕開けです。

 日本からの農水産物・食品の輸出のうち、香港向けが最も多く、輸出額の4分の1に迫りますが、今や、香港も非常に厳しい状況。生鮮品については、高価で高質だけでは、難しい時代に入っています。容器包装、ロングライフ化も必要だなあと思います。デンマーク、オーストラリアからの肉の多くはスキンパック冷凍。すごい勢いです。、
また、価格競争にも入っていて、日本のお菓子類は安く売られています。それに加えて、セブンイレブンは、PBのお菓子やスナック類を、日本と同じくらいの価格で販売していますし、越境ECも増え、さらに価格競争は激化していきそうです。

 どの分野の食品を強化して行くのか、補助金をまんべんなく撒いているだけでは、欧州のマーケティング力には到底太刀打ちできません。

この記事の執筆者:
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道畑富美
香港は、世界の食品の主戦場に
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