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post by Fumi Michihata
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香港では、食品工場が増殖中

2018年6月 1日 22:15 - Miki Michihata
 ここ最近、2カ月に一度香港を訪れていますが、人の多さと活気には、いつも驚かされます。香港からマカオにかかる橋が竣工、深圳から香港までの新幹線が開通する予定らしく、一層中国本土色が強くなるのかなあという感じですが、そのためか、経済も街行く人も、元気な感じがします。

 香港は、東京の半分くらいの面積に、約740万人の人が住んでいます。半島と島からなり、山も多く、あの狭いところに900メートル級の山もいくつかあるそうです。とても、農業や食品の生産などできそうもない地形ですが、耕地は、総面積の5%ほどあり、食品工場もたくさんあります。コカ・コーラの工場もあるようです。そういえば、コカ・コーラはどこでも工場をつくっていますね。2003年ブータンを訪れた時、これから工場ができると聞きました。
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<<売り場のおばちゃんに怒られた図、ごめんなさい。香港の植物工場製レタス@city super>>

 とても、食料生産など想像できない香港ですが、ここ数年、食品工場は増加の一途です。2013年に工場を深圳から香港へ移転しています。為替リスク、また材料が香港へ輸入される際の関税が低いことなどメリットが大きいのでしょう。それから、巨大なる中国市場をターゲットにしています。中国・香港間では、CEPA(Mainland and Hong Kong Economic Closer Partnership Arrangement)という協定があり、さまざまな優遇措置があるようです。
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<<ジェトロ香港で教えてもらった資料、Food and Environment Hygiene Departmentの統計から作成>>


日本の食品企業も香港に工場をもっています。味の素冷凍食品は、2013年に深圳のグループ社の冷凍食品工場を香港に移しています。日本の日清食品もカップ麺製造を、2016年からスタートしています。最近では、冷凍食品も製造しており、ラーメン、うどんにパスタ、そして餃子などラインアップされています。2016年オープンしたイオンスタイルで試食販売を行っていましたが、食べてみるとおいしい。20HK$、つまり300円。外食したら1500円もするラーメン、これなら簡単で安いと香港の若い世代には受け入れらえるように思います。日本勢では、ほかにもカルビーやグリコが香港に工場をもっています。
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香港の食品メーカーも侮れません。イオンスタイルで同じく試食販売をしていたGAFELLというブランド、自然素材、添加物フリー、MSGフリー、グルテンフリーを訴求する冷凍レディミール、食べてみましたが、おいしい!ラザニアは、小麦パスタでなく湯葉でヘルシーに仕上げており、カレーにはインディカ米、リゾットにはイタリアのリゾット用米を使うなどこだわりもあり、世界中から食材を調達できる香港ならではと感心ししました。これは、本当にクセなく、いやらしい味なくうまい!
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 日本の冷凍食品は優れているように日本にいれば思いますが、もっと優れた香港ブランド品もあることに驚きました。ついでにいうと、イオンスタイルのセルフレジでは、現金はおろか、クレジットカードが使えませんでした。モバイルペイか、スイカのようなオクトパスカード(ICチップ入りのチャージ型カード)しか使えず、有人レジに並び、クレジットカードで決済しましたが、クレジットカードって、通信に時間がかかるんですね。
またも、日本のガラバゴス度を感じるのでした。

味の素㈱プレスリリース 2013.9.5
日清食品ホールディングス(㈱)

この記事の執筆者:
Foodbiz-net.com
道畑富美
香港では、食品工場が増殖中
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