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post by Fumi Michihata
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北京で、盒马鮮生 vs 小象生鮮のミールキットをつくってみた  

2018年9月12日 08:22 - Miki Michihata
 カバ(盒马鮮生)対ゾウ(小象生鮮)の対決!アリババとテンセントの生鮮スーパーは、最新の情報テクノロジーが常に更新されて導入されています。とはいえ、食品はアナログ。売られているものに目新しさはないものも、パッケージデザインなども洗練されてきたなあと感じます。中国は、冷めたものは食べない食習慣なので、日本のような惣菜はあまり目にしませんでしたが、ミールキット が、しっかりちゃっかり、両スーパーに並んでおりました。

 盒马鮮生は、5分間で調理できるというミールキット 、かたや小象生鮮は、調理時間8分でという設計。どちらも、肉か魚と野菜、そしてソースがついた炒め物セットで、分量は、二人前くらいで20元から30元という購入しやすい価格です。どちらも3品ずつ買って、調理してみました。

 まずは、盒马鮮生のミールキット。
鶏肉とセロリの眼の炒め物、牛サイコロ肉とパプリカの炒め、湯葉のあんかけ
消費期限は、Dプラス3日。肉類はマリネされています。肉と野菜、ソースの二段重ね。袋に入れてプラ容器に入り、MAP包装(だと思います)されています。肉を加熱して(油は入ってません)、野菜を炒めて、火を通し、最後ソースを和えて仕上げます。いずれも5分で出来上がります。
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<<アリババ盒马鮮生のミールキット、3品で千円ほど。これなら毎日でも買いたい>>

小象生鮮のミールキットは、
 Dプラス1日ですが、海老炒め、白身魚とれんこん炒め、骨付き牛バラ肉の炒め
盒马鮮生と同じ設計ですが、容器は一段、消費期限が短いので、素材がそれぞれに包装されて、MAP包装はされていません。日持ちしないだけ、素材の鮮度がよく、海老は、生でプリプリでした。うーんこれなら、私も利用したい。売り場をみると、売れている感じです。
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<<小象先生のミールキットは、結構売れています。夕方ちかくの時間>>

(日本のミールキットは、ガラパゴス)
 盒马鮮生のミールキットも、小象生鮮のものも、日本のミールキット と比べて、材料がシンプルで、作りやすく設計されています。日本のミールキットは、材料が多すぎて、さらに素材ごとにパックしてあり、一つずつ開封していくだけで疲れ果ててしまう感あり、肉か魚プラス野菜とソースで、シンプル。使う人、調理する人の立場になって考えられています。日本のミールキット は、ガラバゴスっぽいにおいがします。

 野菜の切り方も美しく、揃っています。その揃いかたは、日本のカット野菜よりも美しいかもしれません。かつて日本が教えた技術かもしれません。私も20年前くらいに山東省の工場で、野菜のカットの仕方や変色防止など色々考えたことを思いだし、あの当時の日本の技術が生きているぞと、今でも日本向けの工場が中国国内にいっぱいありますが、中国の人たちは、真摯に外から学び、さらに品質を高める努力をしています。
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<<きれいに切りそろえられた白髪ねぎ>>

 友人の テクノロジー分野のライターである、徐航明さんの「リバースイノベーション2.0」には興味深いことが書かれています。米国、日本、中国が、それぞれ、異人、職人、商人という価値観であると、もちろん全てをそれでくくれる訳ではありませんが、、的を得ているなあと思います。ミールキット を見ると、アメリカに学び、日本にも学び、そして売れるためにどんな工夫をしたら良いか、顧客のことを思い、また省くところは省き、、と中国人の知恵と努力は凄まじいものと思いました。

徐 航明さんは、日経クロステックにも食とテクノロジーに関するおもしろい記事を書かれています。




この記事の執筆者:
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道畑富美
北京で、盒马鮮生 vs 小象生鮮のミールキットをつくってみた  
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