美食の国、フランスといえども、レディミールはまだまだ成長分野。日本にも進出している冷凍食品専門店Picardのフランス国内での店舗数が1千店舗というのですから、時短、調理の簡便化は、日本と同様、あるいはもっと進んでいるように思います。この春、フランスはノルマンディーにある京都大学石割農園で京野菜の栽培・研究をしています、当ブログ特派員、北原毅さんが、フランス・ノルマンディーから、スーパーマーケットレポートを送ってくれましたので、フランスについて、ちょっと整理してみます。
フランスの人口は、約6,700万人、ちょっと古いデータですが、なぜかカナダ政府による"Packaged Food Sales In France"という2010年のレポートをみると、加工食品市場は、1,892億$(約20兆円)これは、食品支出の44%に該当するそうです。日本の加工食品への支出は、農水省資料によると53%で、約40兆円です。人口からすると、日本と同様に加工度の高い食生活であることが、数字の上にでも表れています。農家直送のマルシェが立ち並ぶパリのイメージとはよそに、時短、簡便化が進んでいます。
たまたま見つけたSTATISTAの資料では、2005年と2006年のフランス国内の冷凍・冷蔵レディミールのユーザー数がでていましたが、なんといっても、小売業のプライベートブランドのものがダントツシェアが高いですね。(一番下のバー662万人です)
<<メーカー別の冷蔵・冷凍レディミールのユーザー数 出典Statista>>
メーカーよりも小売業へのロイヤリティが高いことを反映しているのでしょう。その小売業ですが、フランス国内では、グローバルに展開するCarrefour、Auchan、Casinoが、コンビニからハイパーマートまで他業態をカバーし、圧倒的なシェアを占めています。Wikipediaのフランスの小売業というページにあった主要グループの店舗数データまとめてみました。
さて、北原特派員からのレポートです。私も昨年秋に農園を訪問しましたが、その際買い物したHyperUは、CasinoのGeant に変わったようです。以前は、広い田舎のハイパーマートでしたが、今風のリーチイン型冷蔵ケースに替わって、この通り、チルドレディミールは、"Snacking"というコーナーになっていますね。常温のレディミールも健在。相変わらず安いです。日本では、常温レディミールの可能性はどのようなものでしょうね。
<<Sackingは、今の食生活を象徴するカテゴリー>>
<<競合他社のより安いでの、ゴリゴリ告知が店頭に>>
そして、Lidlです!いつもながら、ハズレがないです。激安ながらバターたっぷりおいしいクロワッサンは、29セント!40円くらいでしょうか。北原特派員は、一度夕方6時くらいに行って、売り切れてありつけなかったそうです。チーズもレディミールもほんと安いですね。買いに行きたいくらいです。
<<日本に持ってきたいlidl冷凍クロワッサン>>
<<フランスらしくエスカルゴのチルドレディミール>>
<<さすが農業国フランス、野菜も自国産が並びます>>
<<ノルマンディーは、カマンベールチーズの産地>>
やはり欧州のスーパーを見ていると、どこの国も農業国であることを感じます。日本は、自給率40%で、やはり高いものを食べているのだなあと思います。無理してコストカットして、加工品は低価格を実現していますが、いつまでもつのかな~。食品産業の努力は素晴らしいことであると思いますが、そこに持続性はあるのかと、ふと考えてしまいました。
おまけながら、Eコマースも深く浸透していくことと思いますが、アマゾンがフランスでも展開していくというロイターのニュースを貼っておきます。