ツアーのテーマは、ロングライフ惣菜、つまり冷凍したり、チルドでも温度帯を下げたり、ガス置換された包装をしたりと、惣菜の日持ちを向上させた、イギリスではレディミールと呼ばれる惣菜の調査です。人手不足、そして小売業から要求される少量多品種の品揃え、そして厳しい規格に納入期限です。そこまで追い求めて、誰が喜ぶのかわかりません。消費者がおよそ求めるものではないように思いますが、、そしてその果てが、大量の食品ロスです。 これについては、本ブログ9月27日記事にも、
東罐興業株式会社様の社内報 Tokan Monthly Report2016年10月号にも書きました。
できたて惣菜、スーパーやデパ地下のシズル感あふれる惣菜売り場は魅力的ですが、その日限りの賞味期限では、あまりにももったいなさすぎ。米国のスーパーは、この形態が多く、ホールフーズマーケットなどの売り場は、見ているだけでワクワクします。が、その一方で大量の食品ロス、そして、今、米国のスーパーマーケット惣菜について、衛生面が問題になりつつあります。(Wall Street Journal 2016年9月8日記事)
日本の惣菜は、アメリカ型が多く見受けられます。コンビニでは、最近、袋に入った惣菜が売られていますが、あれは、低温殺菌しており、冷蔵で1ヶ月ほど保存が可能です。また、お弁当にも2種類あるのにお気づきですか?従来の常温弁当とチルド弁当、同じ棚に並んでいますが、容器や包装の形態も異なっており、異なる保存方法です。多くの人が気が付かないまま、身近なところで、惣菜はロングライフ化しています。
ロンドンでは、キッチン付きアパートメントに泊まり、惣菜関連企業の経営者たちが分担し合って、レディミール調理をし、夜な夜な試食会。レンジ調理あり、オーブン調理ありで、普段ご家庭では、台所に立たないオヤジたちの奮闘ぶりもおかしくもありました(失礼)。が、実際に調理し食べてみると、見えてくるものがたくさんあります。それにしても、イギリスのレディミールもなかなかのものです。価格は、高いもの手ごろなもの様々なラインがありますが、一般スーパーの普通の惣菜が、500~600円くらい。重量で換算すれば、日本のコンビニ弁当くらいの価格と思いますが、素直な味でおいしいなあと感じました。
<<Sainsburyのカフェテリアで、期待してなかったフィッシュ&チップスが美味しかった。海が近いからかなぁ。資源管理のMSCマークがあります>>
英国の小売業は、ビッグ4と言われるTesco、Asda、Sainsbury、Morrisons 4社で、マーケットシェアの4分の3を占め、その残り4分の1も、続くMarks&SpencerやJohnLewisが展開するWaitrose、またCOOP、そしてドイツのディスカウンター、ALDI、Lidlが占めており、大手の寡占化が進みます。もちろん、どこも日本のスーパーのようなバックヤードはありません。アウトパックした惣菜や食材を陳列するだけです。どちらかというとコンビニのようなオペレーションです。
したがって、画一化された商品、味になりがちですが、それをすごいバリエーションでカバーしています。毎日一つずつ食べても3カ月はかかりそうな品揃えです。これで、本当に食品ロスが減るのかなあと思いますが、日持ちが長いので、売り切ってしまうのかなぁと少々疑問が残りますが、こまめに商品管理を行い、売れ残りを最小限に抑えるしくみがあるのでしょう。
詳しいレポートは、追って書いていきます。
Wall Street Journal 2016.9.8 'Grocers Tackle New Food Safety Issues as Tastes Grow for Prepared Meals'