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post by Fumi Michihata
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食品ロス削減へ 先進国で法規制が進む

2016年9月27日 10:04 - Miki Michihata

 FAO(世界食糧機関)による、世界の食料ロスと食料廃棄」に関する調査研究報告(2011年)以来、欧州では、2020年までに食品廃棄物を半減させる目標をたてています。フランスでは、一定規模以上のスーパーマーケットで、食品廃棄を禁ずる法律が成立。売れ残りの食品は、フードバンクや慈善団体に寄付する義務が課され、罰金制度もあります。もちろん、この法律は、EU加盟各国へ波及させようと動きで、イタリアでも同様の法律の成立が議会で可決されています。英国テスコは、率先して、食品ロスを寄付する取り組みを始めています。

慈善団体に寄付したらそれでええんか、というのも、気になるところです。先の報告書によれば、農業生産から消費に至るフードチェーン全体で、毎年、世界の食料生産量の約3分の1に相当する、約13億トンが廃棄されているといいます。特に先進国では、フードチェーンの末端部、つまり小売りや消費の段階での廃棄が多い傾向にあります。家庭からの廃棄は、推して知るべし。法律うんぬんという前に、一人一人が気をつけるべきことですね。 

デンマークでは、2010年から食品廃棄削減への取り組みがなされ、規格外の農産物や賞味期限間際、パッケージの変形などで売れなくなった食材を専門で売るスーパー、調理して提供するレストランも出現しています。特に生活に困っている人向けというわけではなく、もったいないと思う人が利用するしくみ。先述の国々と違って、上から目線でないところがデンマークらしいですね。

Germar_supermarket.JPG

<<こちらはドイツのスーパーですが、入り口にはガラス瓶のリサイクルボックス、レジで買い物する人は、みんなマイバックに>>

加えて、食品廃棄ではないですが、食品容器についても規制が進みます。フランスでは、プラスチックの食品容器の使用が、2020年までに禁じられるそうです。米国でも、NYでは、発泡スチロールの食品容器使用に規制がかかっていますし、欧米では、食品容器は紙が増えています。プラスチックも生分解性のモノあるいはリサイクルをということですが、食品ロス、容器、廃棄にまつわる動きは、大きなうねりになりそうです。


以下は、参考ウェブサイト

FAOの報告書 "Key facts on food loss and waste you should know!"

フランスの食品廃棄規制 "French law forbids food waste by supermarkets" Guadian紙 2016.2.14

イタリアの食品廃棄規制 "Italy Food Waste LAw Donate Food" Guardian紙 2016.8.3

Tesco 売れ残りを慈善団体に"Tesco to give all  unsold food to charity  after finalising deal"

Independent紙 2016.3.12

デンマークのもったいないスーパー we food 

もったいないレストラン&カフェ Spirubogstub  についての日本語の記事 http://epmk.net/rubandstub/

デンマーク発 レストランの売れ残りを廉価で売買の場を提供するアプリ toogoodtogo


ついでに農水省の食品ロス削減ページ http://www.maff.go.jp/j/shokusan/recycle/syoku_loss/

この記事の執筆者:
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道畑富美
食品ロス削減へ 先進国で法規制が進む
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