冷凍食品(冷食)は、長期保存でき便利なもの。日本では、子供の弁当のおかず、主婦の簡単昼ご飯という認識が定着していて、スーパーで堂々とは買えないもののひとつです。業務用分野では、かなり活用されていますが、家庭用の冷食は、残念ながら「半額で買う、その程度のもの」というポジションに甘んじているのが現状です。
日本人の冷食の消費額は、一人当たり年間44USドルだそうで、実に、冷凍先進国、カナダ、イタリア、米国、英国では、その数100ドル以上。我々の倍以上もの冷凍食品が利用されています(1)。欧州では、フランスの冷凍食品専門スーパー、ピカールがよく知られています。イオンと提携し、昨年いくつかの店で、売り場を設けておりました。このブログでも紹介しましたが、その後拡大するという噂は聞こえてきません。先に述べたような日本市場の状況では、その展開は難しいものがあると思います。
さて、イギリス、街のあちこちにIcelandという冷凍食品中心のスーパーがあります。国内に約900店舗を構えており、チェコ、南アフリカ、中東へも進出しています。フランスのピカールのようなグルメっぽいものではなく、あくまで低価格。都内でいうとハナマサみたいな存在です。
すっごい種類の冷凍食品、そして、すばらしく安い。試しに、インドのカレーを買ってみました。2人前ほどで1.5£。値段以上にとてもいい味でした。同社のサイトによれば、何度も英国の冷凍食品アワードを受賞しており、英国のクリスマスの行事食、ミンスパイは、ハロッズやフォートナム&メイソンのものよりおいしいと、また、5£のカナダ産ロブスターは、ベストセラーアイテムであるとあります。
私が訪れた店は、ロンドンのAngelという地下鉄の駅の近く、ちょっとエスニックな香り漂う街で、近くにマークス&スペンサーもありましたが、この二つの店の客層は明らかに違う層であるなあという感じでした。
最近、英国では、COOKという冷凍食品専門店が店舗展開を進めています。 高級住宅がならぶMAIDA VALLE店へ行きましたが、ナチュラルっぽい雰囲気で、フランスのピカールのように冷凍ショーケースが整然と並んでいます。 先のICELANDとは全くコンセプト違い、グルメで、素材にこだわったアイテムが、パステル調のパッケージに入って並んでいます。値段は、ICELANDの4倍いやそれ以上の値づけ、先述のスーパーの惣菜もりも高いです。オーガニックなど素材、また味もシェフが監修しているというこだわりありありの商品です。試食したものや買って食べてみたものも、とても美味しかったです。お店で伺うと英国内に86店舗展開してるとのことです。ある程度の市場をつくっていくことでしょう。
これらの業態の品揃えを見ていると、非常に豊かだなと感じます。日本は、高齢化、小世帯化を考えると、冷凍食品にとっては、有望な市場と思いますが、、半額セールのNB品、コンビニのPB品から脱却しないと、今後、広がりが期待できないですね。
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