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post by Fumi Michihata
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シーフードショー2022 韓国勢いあるな~

2022年8月30日 12:16 - Miki Michihata
数年ぶりにビッグサイトで開催されたシーフードショーへ行ってみました。
水中ドローンなど、漁業ハードウェア系も深く広く発展していますが、魚加工品、特に魚惣菜もいろいろ進化しています。多様な製品ができ、また出荷額も伸びているのではないかなと思います。「日本人は魚を食べなくなった」と言われ、実際に消費量も減少しいますが、お腹が膨れない割に高いこと、調理や食べるのが難しことなどが挙げられます。一方、生産側では、水産資源の枯渇化、買い負けなどが話題になっています。ただ、高齢化の影響か、コロナで調理や食べ方の変化が生じており、家庭向けの魚惣菜はかなり伸びていると感じます。

 個食パックの煮魚や焼き魚としては、常温レトルト、缶詰の他に、チルド、冷凍などの温度帯にチャネルも広げ、鮮度の良い状態で流通・加工する技術も進歩して、スーパーの鮮魚売り場も変化しました。鮮魚売り場は、鮮魚、切り身だけでなく、漬魚や干し魚であったり、また冷凍やチルドの味付けされたものもあり、売り場が広がっています。冷凍の味付け、ミールキット のようなレンジアップ商品。手頃な価格で魚料理を食卓に供することができます。

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<<USMHの展開するBRANDEつくば研究学園店 店内で漬けた魚惣菜>>

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<APITA大垣 野菜と魚、調味料が入ったレンジアップ冷凍惣菜>>


 さて、シーフードショーでも、レンジアップですぐ食べられる即食系の魚惣菜がたくさん並んでいました。なかでも、めちゃ頑張ってるなぁ、頭使っているなぁと私が感じたのは、韓国勢です。韓国でも冷凍魚惣菜は、かなり進化しているようです。パッケージも、なかなかええやん!というものが並び、そのなかのEUNHAという韓国の出展社、流暢な日本語を話す担当者に「どこで売ってるの」と聞くと、まず「通販」という答えが返って来ます。そして、スーパーやコストコで売ってると。コストコ向けは、韓国国内だけでなく、台湾、そしてグローバルで販売しているとの答え。衛生面では、当然FSSC22000も取得済み、そして、コストコに入っていたら、品質や衛生面が保証されているから、展開しやすいのだと話し、日本と合弁で工場をつくりたいなど積極的な話をしてました。日本では、大企業の営業マンさえもここまで喋れるかなと感心しつつ、なんとサンプルも持たせてくれました。ささっと新品(もちろんか)保冷バッグ出して、用意いいです。商売がうまい、コミュニケーションが上手!でびっくりします。さすがサムソン、LGを世界的製品にした韓国グローバル営業です。冷食でもCJフーズの餃子、点心類も恐ろしい勢いです。

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<<パッケージも工夫されている、通販、コストコで売ってると、、そう、王道をおさえています。>>


 今の時代、食品に限らず、「食べたらおいしい、使うえば良さがわかる」ではダメな時代。いかにアピールし、いかによく見せるか、そして食生活の中でも、おいしさだけでなく、いかに楽しく喜ばれるかが求められています。それがいいことかどうかは別にして、そういう時代。人材もそう。ネット上で「いかによく魅せる」がまずは必要条件となっています。
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<<北欧系は、環境持続性第一!かれらもほんますごいで、水産業に就きたい若者がいっぱいです。>>

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<<唯一おもしろかったのが、鈴廣かまぼこさんのすり身パウダー!すり身が常温で流通できる。>>

日本の細かすぎる製品づくりは、素晴らしいですが、今後、日本人の数が確実に減っていくことを考えると、グローバルはマーケット感覚を持って、製品づくりやコミュニケーションをしていく必要があると感じました。ほんと、売り方、伝え方を韓国勢に学ぶべきと思いました。

(参考文献) 水産白書 平成3年度版

この記事の執筆者:
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道畑富美
シーフードショー2022 韓国勢いあるな~
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