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post by Fumi Michihata
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IKEAが業務用食品市場へアプローチ

2019年3月10日 21:22 - Miki Michihata
幕張で開催されたFOODEXへ行ってきました。毎年、世界中の食品が集まるこの見本市は、楽しみのひとつでもあります。やはり、ふだん馴染みのない西アジアや中欧、また南米のブースは心躍ります。最近は北欧のブースもおもしろく、白樺の樹液やベリー類、雑穀など、冷涼な気候だからこその他にはない食材が魅力です。パッケージデザインも北欧らしくシンプルで洗練されています。

スウェーデンのブースには、IKEAが出店していました。家具なのに食品?そうです、食品をもっと外に向けて売っていくのだそうです。しかもECで。

従来は、重い家具も買いに来てもらうことを重視していたIKEAですが、時代の流れには抗うことできず、イケアジャパンでは、2017年4月よりオンライン販売をスタートしていますが、2018年度は、ECは売上全体の5%とまだ少数派。競合のニトリの好調ぶりに比べると、ECではちょっと出遅れた感がありますが、小物や雑貨類もECにのせ、全国を網羅して行こうということです。
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<<iIKEAスウェーデン エルムホルト本店の食品売り場>>

皆さんご存知のように、IKEAの家具のレジを出たところでは、食品が売られており、その品揃えに加え、ホットドッグスタンドやカフェテリアも楽しみの一つとなっています。カフェテリアのためだけに来店されるお客様も多いのではないでしょうか。また、チョコレートやベリー類のジャム、スモークサーモンに甘えびなど安価で北欧の食文化がガッツリ味わえる品揃えで、冷凍食品も数多く売られおり、レンジ加熱で北欧料理が味わえるのもとても楽しいです。IKEAに行くと買うもの、IKEAでないと買えないものもたくさんあります。
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<<イタリアローマのIKEAはパスタが豊富。樽に入ったワインは、デカンタサイズで3€>>

これらの食品類を、オンラインではもちろん、今後は、業務用にも卸していくと、ブースにいらしたIKEAの社員の方が説明されていました。たとえば、IKEAのホットドッグをパーティで使いたいなどの個人のパーティ需要などにも対応するし、レストランなどの需要にもこたえるとこと。IKEAの食品は、ほぼ世界中で売られ、その価格や品質においても優位性がある食材も多く、これからが楽しみです。EPAの影響で、価格もさらに安くなるのかな。

創業者が17歳の時、1943年に開いた雑貨店が基礎となっているIKEA、その本社(ホールディング会社はオランダ籍)とミュージアムが、スウェーデンのエルムホルトという町にあります。スウェーデンの最も南のマルメから電車で2時間ほどかけていきましたが、町に住む人のほとんどがIKEA関係者、家具のデザインはこの街から生まれているそうです。ミュージアムも、1950年代ごろから人々の暮らし、その住まい方、そしてIKEAの提案という、時間を追っての展示が素晴らしかったです。

IKEAファンとしては、家具だけでなく、食も含め、IKEAが今後どんな生活の提案をしていくのか、楽しみにしています。

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<<イケアミュージアムのカフェテリア>>

('参考資料)

Business Insider 2018.8.30 「EC出遅れのイケア・ジャパン、巻き返し図る「デジタル戦略」強調]

英国のHouse Beautiful の IKEAとUberと組んだという記事  "Ikea teams up with Uber Eats to deliver Swedish meatballs straight to your door" 2018.11.3

2016年秋にスウェーデンのエルムホルトにあるIKEA本店とミュージアムに行きました。その際の本ブログ記事「超ソロ社会、スウェーデンのレディミール」 2017.2.5

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この記事の執筆者:
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道畑富美
IKEAが業務用食品市場へアプローチ
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