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ロシアの米国、EUからの食品禁輸措置に動く中国 

2014年8月17日 11:47 - Miki Michihata
 ウクライナ情勢を受けて、米国、EU諸国産の大半の食品がロシアに輸入禁止の措置を受けています。モスクワのスーパーマーケットの品ぞろえや欧米のチェーンやすし人気に沸く外食産業の様子を思えば、市民の生活にかなりの影響があるだろうなと想像していました。
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≪モスクワ市内の商業施設、上層階のフードコートは、米国チェーンも出揃っている≫

 ロシアは、広大な土地があるものの、多くはツンドラ地帯に冷涼な気候、実は食料の輸入大国でもあります。渦中のウクライナ周辺は有数の穀倉地帯で、ロシアの穀物自給率には95%と言われていますが、大都市の食生活を見ていると、肉、魚、農産物など多くを他国に依存しているは明らかです。実際、メドベージェフ首相は、2020年までに食料自給率をすべての部門で100%にすると農業促進政策を2010年に打ち出しています。今回の禁輸措置は、そのための過激な活性化策かもしれません(笑)。
 なんてことを考えていたら、8月13日付のChina Dailyに、中国側は、ロシアに生鮮野菜や果実を輸出するために、物流体制をせっせと整備しているとの記事が出ています。
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       ≪モスクワで一般的な団地の1階にあるスーパーで≫
 ロシアへの輸入品目は、取引量でみると、砂糖(多くのロシア人は、コーヒーにスプーン3杯入れます。)、じゃがいも、バナナ、りんご、大豆、みかん、トマト、でワインが続きます。寒くて新鮮な野菜や果物の栽培が難しいのでしょうね。その輸入元としては、取引額順で、ブラジル、ドイツ、ウクライナ、オランダ、トルコ、米国、フランス、スペイン、中国と続きます。(FAO STATより)
 またしても、中国、やるな~という感じです。もちろん、安全性を心配する声も聞かれそうですが、背に腹は替えらないはず。すでに商流もあるでしょうから、中国にとっては大チャンス到来といううところでしょう。

 食料品の輸出は、ある意味、情報と戦略あるのみ。あちこちの輸出戦略をみていると、輸出大国というのは意気込みが違うな、と感じます。今朝の日経新聞に、日本の農産物の上半期の輸出額が10%増えた~とぬか喜びしている記事がありますが、本気で取り組まないと絶対負け戦になること自明。補助金をバラ撒いているようではダメ。外交を含め、オールジャパンで取り組むべきです。

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 ≪ロシアは、肉類の缶詰も多いが、お味は、、、、≫

 もうひとつ、この禁輸措置から思い出したは、ロシアのすばらしき食料安全保障のしくみ、ダーチャです。ダーチャは、第2次世界大戦中からその後、都市生活者に与えられた郊外の農園付き別荘で、元をたどればピョートル大帝の時代、貴族に与えられた農園に由来するものです。なんと、オランダの生鮮農産物情報のウエブサイ トfresh plazaによれば、ロシアで消費されるじゃがいもの85%、野菜の71%がこのダーチャで栽培されたものであるというのですが、、データの信憑性はともかく、何度も経済危機に見舞われたロシアの人々が飢えなかったのは、このダーチャのおかげであるという話もあるくらいです。東京や大都市圏にも導入したらどうでしょう。ダーチャ、欲しい~。狭くて暑苦しい東京のマンションに住んでいると、田舎に住みたいと思う今日この頃です。
この記事の執筆者:
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道畑美希
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