アパレル企業がカフェやレストランに参入することは当たり前のようにありました。80年代バブル時代に遡れば、DCブランドやワールドやレナウンのような上場企業もこぞって飲食店をかっこよく運営していた時期がありました。レナウンミラノなんてイタリアレストランがあったことを、私は覚えています(笑)。いくつか店舗もありましたが、日本たばこに買われた後は、消滅。あの頃は、社長の趣味、あるいはステータス顕示のため、始めたケースが多かったのではないかと、おおよそ、アパレル企業の飲食店は、趣味の領域を超えていなかったように思います。
しかしながら、本気で飲食業に取り組むアパレル企業も増えています。なかでもサザビーリーグによるスターバックスコーヒージャパンの大躍進は、成功例のひとつでしょう。昨年秋に米国本社の子会社化されてしまいましたが、あの展開ぶりは、アパレル業だったからできたこと。きっと、飲食企業と提携していたら、今のスターバックスはなかったのではないかと思います。カフェは、食べるものや既成概念にこだわっていては絶対ムリです。
最近は、モノにもしっかりこだわるアパレル企業もあります。いや、もう飲食企業と呼んでいいかもしれません。ベイクルーズの展開するフランスのベーカリー、ゴントランシェリエは、おいしい!私は、ゴントランシェリエのクロワッサンが、大好き。パリパリ、バターの風味よく、生地にも粘りがあります。なんといっても、180円という価格。ベイクルーズは、Journal Standardといったブランドを展開するアパレル企業ですが、パンケーキやハンバーガー、あのオマールエビのドッグ、LUKE'Sも手掛けており、立派な飲食企業です。最近は、イギリスの惣菜カフェ、FRANZE & EVANSもうまいこと表参道に持ってきています。うーーん、やられた!なんで、惣菜企業がこれができないのか?!ほんと残念です。
今の時代、特に若い世代は、味というよりも、雰囲気、見栄え、サービスのパフォーマンス優先であると感じます。誰でも、SNSで写真をアップする、飲食店を介して、情報の発信人となれるわけです。見た目第一、食べものは、優先順位をつけるとすれば、下位の方なんではないかと思います。もちろん、業態にもよりますが、、事業の継続性を考えると、どうなんかな、、と思いますが、若い飲食店経営者にも同様の傾向があるように思います。そういう時代に、アパレル系の飲食店は、ウケがいいのだと思います