釜山を訪れた目的のひとつは、コンビニのおにぎり・海苔巻きを製造している工場の見学です。釜山から車で2時間ほど慶尚南道にある工場は、日本同様、24時間稼働で、毎日おにぎりだけで数万個、他、海苔巻き、弁当なども製造しており、日本製の炊飯機械、おにぎりや海苔巻きの機械が導入されています。日本以上に少子化、そして労働力不足に悩む韓国でも、海外からの働き手が欠かせない存在となっています。8年前に創業したというこの工場は、ますます増産、成長の様子で、海苔巻きを冷凍して米国へ輸出するという計画を、社長からお伺いしました。
<<GFS Lee社長と。製造場に入場するまで2度も手洗いする場あり、着替えロッカー室の床暖房(オンドル)に感激!>>
韓国のコンビニエンスストアは、その数5万店超えと、人口は、日本のほぼ半分なので、日本のコンビニ密度の倍くらい店がひしめく激戦市場です。ちなみに、日本のコンビニは、2024年1月55,657店と昨年より微減しております。
店舗数において首位を争うのは、CUとGS25、つづいてセブンイレブン、emart24と4大チェーンが占めています、CUの元は、日本のファミマのフランチャイズから独立、セブンイレブンは、ロッテグループの運営と、もともと日本のコンビニから発展したものもあります。ちなみにミニストップは、1千店舗を超え、レジ周りのファーストフードなど導入して、他と異なるコンビニ業態を展開しており、また、ローソンは撤退済みです。
多くには、日本のコンビニ同様、食品や生活雑貨などがありますが、レジ周りのホットフードなどは販売されず、店も小型で、店員さんも基本はひとり、という店が多いです。おにぎりやサンドイッチや惣菜など、日本同様、単身者に利用されているようです。8年前に大邱で見たときより、おにぎりが増えており、釜山近海空港にあるCUに並ぶおにぎりがよく売れていました。おにぎりやサンドイッチは、D+2~3日の消費期限ですが、それ以外の惣菜は、密封されたロングライフチルドのタイプがほとんど。日本のように品揃えは多くないですが、ロスは少なそうな感じです。
<<釜山 金海空港にあるCU、手軽なのか、若い人がよく買って食べています。>>
<<おいなりさんもあちこちで見かけました。上に具が乗った韓国スタイルです。>>
<<街なかのセブンイレブン、お惣菜類は、ほぼチルドの長持ちタイプ>>
海苔巻きキンパも海外に進出するなら、コンビニ業態も海外に出ています。モンゴルにCU、また、ベトナムにはGS25と、かなりの店舗数になっているようです。日本発のコンビニ、そして、日本製の機械でつくる海苔巻き、なんで、韓国を経由してグローバルに出ていくのか、ちょっと歯がゆい思いもします。サムソンやLGが、日本企業を尻目に海外でその存在感を広めていった(今は中国勢のほうがすごいですが、、)ことを考えると、日本しっかり!と思うばかりです。
KWレポート「韓国コンビニ再発見 (1) 流通プラットフォームに「進化」」2023.01.23 https://koreawave.jp/
白 貞壬「韓国CVSの成長とその社会経済的背景」流通科学大学論集-流通・経営論第25巻第1号19-30(2012)
VIET-JO「海外で韓国系コンビニ「GS25」の店舗数が増加、ベトナムでは245店舗に」2024.03.02 https://www.viet-jo.com/news/economy/240109011311.html