foodbiz.asia

post by Fumi Michihata
report

韓国のスーパーから日本を見ると

2024年2月25日 23:36 - Miki Michihata
釜山に行ってきました。2022年韓国チェーンストア協会の視察団に講演の機会を頂いたのがきっかけで、釜山のローカルスーパーTOP MARTの惣菜部門の女性部長と親しくしていただき、ご案内いただきました。TOP MARTはじめ、スーパーマーケット、そしておにぎりやキンパなど米飯惣菜を製造している工場にも見学に連れて行ってもらいました。

久しぶりの韓国です。2016年2月に大邱(デグ)に行って以来、実に8年ぶり!物価もしっかり高くなくなって、日本と同じ価格です。外食の定食1,000円、スタバのラテ、630円、ロッテリアのプルコギバーガー530円、、、、ソウルに行ったらもっと高いのかな。関空から釜山へ飛ぶエアプサンもLCCのとは言えない運賃です。
pusan_emart_openhour.jpg
<<韓国でNO.1 スーパーのEmart 営業時間は10時から22時と。人手不足、時給の上昇が背景にあるそうです。>>

単身世帯の増加で、中食市場は伸びているとのことですが、日本のような、スーパーマーケットの製造したその日のうちが消費期限の出来立て惣菜は、肉を焼いたものくらい。コンビニで販売されている海苔巻きやおにぎりは、ほぼ見かけません。スーパーでは、即食性の高いものはあまり売られておらず、惣菜の売上構成比も、まだ低いようです。
伝統的なキムチなど常備菜は、必要量に応じて、大容量から小容量まで品揃えされており、これら常備菜と、ご飯と汁物という食事がよく食卓に上るようです。また麺類もよく食べて、チルドの麺セット、トッポギセットなどが充実しており、これらの賞味期限は1ヶ月ほど。
chilled ready meal Busan.jpg
<<i麺やトッポギなどチルドのレディミールが充実。汁もの文化がベースにあるからでしょうか。>>

韓国の食卓には、汁物が欠かせないそうで、50代以上、特に男性は、汁物がなければ、ご飯は成り立たないそうで、ただ、最近の若い世代は、キムチも食べないし、食生活もかなり変わっているとのことですが、売り場を見ていると、日本と違って、基本は韓国料理であることを、改めて感じます。日本は、やっぱり異常に選択肢がありすぎるなあと思います。
今や世界中から美味しいものを求めて日本に観光客が集まりますが、日本料理って何?と問われると、本当のところはどうでしょう。
hanjo_marlet_yasai_namul.jpg
<<小正月前で、野菜のナムル用に、ぜんまいなどが並びます。釜山市にある卸売市場、盤如農産物市場にて>>

topmart_namul_koshougatsu.jpg
<<スーパー、 ナムルの盛り合わせが並んでいます。TOP MART にて>>

釜山は、少子化で人口も減っているとのことですが、市場は元気。そして、日本以上に素材が豊富です。日本は出来上がったものの種類は豊富すぎるくらいですが、素材については、その多様性がどんどん失われているように感じます。野菜の消費量も、中国に次、韓国が世界2位だったように記憶しています。焼き肉食べるのも、塩はちょっぴり、そして焼肉のタレなんてつけずに、大量の野菜と一緒に食べる。汁物も、釜山は海産物が豊富で、いりこや干し鱈でとっただしが、これまたあっさりおいしいのです。これと比較すると、ほんと、日本の味、濃いすぎるように思います。

chagaruchi_market_driedfish.jpg
<<j豊洲みたいな、ジャガルチ市場にて、ダシになるいりこや干し魚がいっぱい>>

 
(参考資料)INVEST KOREA "世界的に高まる 韓国加工食品の評判"
https://www.investkorea.org/ik-jp/cntnts/i-694/web.do


この記事の執筆者:
Foodbiz-net.com
道畑富美
韓国のスーパーから日本を見ると
  • 気に入ったらいいねしよう!
    FoodBiz.asiaは、広い視点でアジアの外食ビジネス情報をお届けします。