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post by Fumi Michihata
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食のサプライチェーン 静脈を見学

2024年2月 4日 11:58 - Miki Michihata
年明けからサボって、2024年最初の記事です。今日は立春、旧暦で勘弁願います。今年は、農から食まわりの「環境」視点で、あちこち見て歩こうと考えています。

と、そんな折に、京都市環境政策局から「ごみ減量エコバスツアー」に参加してきました。1997年に開催されたCOP3で採択された京都議定書としっかり「京都」の名前も付いたこともあり、景観保全など意識が根付いており、東京から京都に引っ越したときには、家庭ごみも有料ですし、大型ごみは捨てにくい、随分ギャップを感じたものです。元来良くも悪くも、京都人のケチさ(京都では「しまつ」といいます)をなぞらえて、京都市では、2015年から「しまつのこころ条例」が施行され、ごみの分別だけでなく、ゴミを出さないライフスタイルを、市民はじめ、事業者や大学や施設などでも意識し行動しようというものです。参加したツアーも、市民にごみ減量や環境のことを伝え、考える場として、年に何度か企画されています。
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<<ゴミ収集も経験したという市の職員 黒田さんの朗らかな案内で、参加者からは「ゴミの出し方」について質問ラッシュ!>>


 見学に行ったのは、京都市南部の株式会社大剛の伏見工場と京都有機質資源株式会社「エコの森 京都」と、どちらも事業体からでたゴミをリサイクルする施設です。食品を製造する工場は数え切れないくらい見学していますが、大規模な廃棄物リサイクル施設は、はじめての見学です。食品製造が動脈とすれば、こちらは静脈でしょうか。

 さて、大剛伏見工場では、事業所からの飲料容器をガラス、ペット(プラ)、アルミ・鉄缶に分別しています。小売店や自販機からのもので、家庭からのものと違い、分別されていない、容器以外のものもはいっている、煙草の吸殻の入った缶もある、とのことで、分別ラインに入るまでがなかなか大変とのこと。分別の重要さを実感します、だれもが分別して出せる仕組みも必要です。ゴミ箱を置く、また欧州などでは、スーパーの店頭で、飲料容器については、いくばくかの容器のデポジットが返ってくるしくみもありますが、
なにより、一人ひとりの意識の向上が求められます。
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<<事業所からの飲料容器ゴミは、プラ袋も、いろいろ混ざってます>>

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<<それぞれに分別されて、ペットのブロックは、こちらで250キロほどあるそうです。>>


 次に向かった「エコの森」京都では、スーパーマーケットや食品工場からでた食品廃棄を家畜用の肥料にする施設。まだ食べられるけど、、という食品ロスを発酵させ、油と合わせて加熱し肥料にするというもの。毎日50トンの食品廃棄から10トンの肥料を再生しているとのことですが、まあ、大変なエネルギーコストです。もちろん、その燃料も、使用される重油と同量の廃油を利用するなど工夫されています。
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<<こんなものを処理していきます。「お弁当、あらもったいない」と声が上がります。>>

 いずれも、頭下がるばかりの作業でした。今は、寒くて、匂いは気になりませんでしたが、夏の頃には、飲料容器など匂いもかなりのものと思います。容器、また食品の廃棄、いろいろ考える機会となりました。ありがとうございます。

この記事の執筆者:
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道畑富美
食のサプライチェーン 静脈を見学
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