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post by Fumi Michihata
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JAPAN PACK 2023 業種・業界間超えて、共創の時代

2023年10月10日 11:38 - Miki Michihata
 世の中、一層きな臭くなってきました、平和最優先ですが、食料やエネルギーの供給にも影響が予想されます。食品包装のための資材にもいろいろ影響が大きそうです。

包装産業展、JAPAN PACK2023へ行ってきました。例年以上に、サステイナビリティ実現へ、様々な製品や取り組みが現実に進行しているように感じました。プラスチックの代替(紙や植物由来プラスチック)素材が目立った印象でした。消費者の意識や目も厳しく、それ以上に、原料価格も高く、省資源へ向けて、逼迫した状況にあります。

毎回、企業の新製品や新技術に感心しますが、今年はそれ以上に、企業が協力して進めていく活動が実際に動いていることを認識しました。たまたま、ふたつの講演を聴きましたが、どちらの講演も、その内容のテーマは、企業間で協力してというものでした。ひとつは、サントリーグループ発の株式会社アールプラスジャパンの横井社長による講演で、木質原料からプラスチックの原料を生成する技術をもつ米国の企業と提携し、これらのバイオ原料PETの利用を推進、従来のPETリサイクル、あるいは他のプラスチック素材のリサイクルの循環を推進していこうという同社の取り組みについて伺いました。2020年の発足当時は、12社が同社の趣旨に賛同、現在では42社が協力して、プラスチック削減のチェーンを構成しています。一社ではできないこと、まさに、企業グループによる共創活動です。
https://rplusjapan.co.jp/

また、もう一つは、日本惣菜協会のフェロー荻野さんの講演で、ロボット、AI・量子コンピューターを中小企業の惣菜工場へ導入していこうという内容で、こちらも趣旨に賛同する企業が協力し、スピード感を持って進めていくこと。渋沢栄一が唱えた合本主義であると、共通する課題を明確にし、その課題解決に賛同する企業が集まることで、技術の横展開ができ、コストも下がる、という話でした。

大きく差異もない商品を次から次へと開発し、企業間で競い合う時代でもないように思います。(その職にあり、日々研鑽、努力されている方には、失礼申し上げます。) 私達の食べる・飲む、ゴミとして捨てる、あるいは排泄することまでも含めて、広い範囲で、異業種・同業種企業が集まり、課題解決に向かうときにあります。先のふたつのお話は、そのような内容で、今後が楽しみであるなあと感じたところです。
この記事の執筆者:
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道畑富美
JAPAN PACK 2023 業種・業界間超えて、共創の時代
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