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post by Fumi Michihata
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マスク解禁、これからの食生活~家計調査から

2023年3月21日 11:43 - Miki Michihata
 年明けから、ブログはサボっておりまして、2月、3月は、食品展示会も多く、スーパーマーケット・トレードショー、フーデックスなどにも出かけました。スーパーマーケット・トレードショーで開催された「デリ・惣菜大賞」の発表会場で、配布された「デリ・惣菜最前線2023」にも「惣菜新時代。欧米のスーパーマーケットのデリ・惣菜に学ぶ」(P46-48)と題し、寄稿もしております。
 
 大企業は、大幅ベースアップなどのニュースが流れますが、どこ吹く風。インフレ化では、節約志向も強くなります。コロナ5類に移行、今月13日からはマスクも任意にとなり、暖かくなると、気分も開放的になります。家計調査を見ていると、2021年、2022年旅行支出が減少していたところから、今年1月の数字は、娯楽費のなかの宿泊費、なかでもパック旅行への支出は、二人以上・勤労者世帯では、357%前年比増と空前の旅行ブームが起きています。私も東京・京都間の出張が多いですが、東京駅、京都駅の混雑具合はコロナ前を凌ぐ勢い。外食への消費も、上向いている感じです。業界側からの数値では、コロナ前2019年ほどには戻っていませんが、どの業態も前年よりかなりの回復が見られます。米国での金融機関破綻など、今後の景気の動向も気になるところですが、いい方向に向かうことを期待します。

 一方、日々の生活で見ていくと、食費は、4ヶ月連続の減少と、物価は上がっているのに、買い控えでしょうか。細かいですが、昨年度の油脂への消費額、各四半期とも、2割近い減です。もう高いから買わないのかというくらいの消費減。198円くらいだったものが400円を超えると、さすがに考えてしまいます。となれば、家庭で調理するより、惣菜か冷凍食品。唐揚げもコロッケも揚げ物は、価格だけでなく、手間、台所の汚れ、そして後片付けと考えると、、家庭ではなかなか厳しい献立となります。

旅行や外食には消費するけど、毎日は、節約。家計帳だけでなく、スーパーマーケットの売上をみても影響が出てきているのかなと感じます。2月度、、スーパーマーケットの既存店売上は、前年割れしているところが少なくないです。スーパーマーケット市場も、新規開業が目立ちますが、自分で自分の首を絞めるようなもの。先日もヨーカ堂の不採算店閉鎖検討のニュースがありましたが、もはや胃袋は飽和そして減少方向に向かっております。コロナで広がったアイテム数、これからは絞っていくべきときにあります。もはや量的な拡大路線はないはず。この先、淘汰、左辺が始まりますね。

家計調査に戻ると、冷凍調理済み食品や惣菜は堅調ですが、油脂の他にも、大きく減っているのが、水産物カテゴリー、特に生鮮のもの。買い物の頻度も下がっているし、調理の仕方も難しい。また価格が高いというのもありますね。欧米の統計でも、昨年までは、ヘルシーであること、また環境面においても(畜産物より)エコフレンドリーであると、水産物に人気が高まっていましたが、高価格ゆえに消費者から敬遠されているといいう記述もあります。高齢化で、若い世代には調理するのが難しい、お腹にたまらない、今後家庭の調理、献立も大きく変わりそうです。

経済不透明感が与える影響は大きく、マスク外れて、イケイケモードにはなりにくい雰囲気ですが、と、同時に、感染症への備えや反省も、忘れないでいきたいところです。


(参考ウェブサイト)
スーパーマーケット・トレードショー デリカテッセントレードショーhttps://www.delica.jp/
「デリ・惣菜最前線2023」https://my.ebook5.net/souzai/deli2023/

総務省 家計調査報告 
https://www.stat.go.jp/data/kakei/sokuhou/tsuki/index.html

日本フードサービス協会 JF外食産業市場動向調査 http://www.jfnet.or.jp/data/data_c.html

スーパーマーケット協会 月次報告 http://www.super.or.jp/?page_id=2646

FMI ThePower of Seafood2023
https://www.fmi.org/forms/store/ProductFormPublic/power-of-seafood-2023

この記事の執筆者:
Foodbiz-net.com
道畑富美
マスク解禁、これからの食生活~家計調査から
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