foodbiz.asia

post by Fumi Michihata
report

スマートキッチンサミットSKSJ2022 - beyond community

2022年9月 4日 11:35 - Miki Michihata
フードテックをテーマとしたカンファレンスSKSJ2022が9月1日から3日まで開催されました。今年は、キッチンという枠だけでなく、それを超えて、人文的なテーマも織り交ぜながらの濃い3日間、みっちり勉強しました。

気候変動、またパンデミックを背景に、さらに環境や心身の健康といった課題が身近になり、食べるものとしては、多様な代替タンパク、また従来廃棄されていたものから新食品をつくるアップサイクルというキーワードもよく聞かれました。情報系の分野では、AI、ビッグデータ、ロボットに加え、メタバース・バーチャルな体験についても話題が出ており、前回リアルで開催されたSKSJ2019から、技術革新あり、事業化が進んだベンチャーもいくつかプレゼンテーションされておりました。また、炭酸ガスから微生物の力を借りタンパクを生産するエアプロテインや分子レベルで食品や飲料を再生する3Dプリンターなど、SFのような話題も出てきて、これからの食生活、どうなっていくのか、期待もあるし、逆に不安も出てくるなぁ~と感じて聞いておりました。嗜好や心身の状態に合わせ、パーソナライズされたおすすめもいいけど、自分の本当の意志って、どこにあるねーん!?と。不健康でいいから、自分の好きなものを食べさせて、飲ませて欲しい!なんてことにならないか、人間の意志、というほどでない、気分ってなんでしょうね。

fujie_ajinomoto_SKSJ2022.jpg
<<エアプロテインも可能というAJINOMOの発酵技術 4月に就任した藤江太郎社長は、60歳でスリム!
文脈とは関係ないですが、京大農学部で1年下らしい。頑張れ!>>

(スマート家電のゆくえ)
 2018年シアトルで開かれたSKSでは、まさに、スマートな家電がテーマで、レシピと連動する調理器具、またIOT、ロボットでキッチンを動かすなど、家電中心であったところから、フードテックの領域も広がっています。もともとのテーマであったスマート家電はどうなったか。2019年のSKSJを見返してみると、現在では調理家電については、ほぼ導入されていないなぁという印象です。シアトルで実物見て、欲しい!と思ったスマホのレシピデータと連動するフライパン、HestanCueも今年1月から日本で販売されているが、聞いてみると、業務用の需要がかなりようで、焼き色を一定するとか、アルバイトでもできるとかで飲食店などで採用されているらしいです。1台5万円くらいで手に入るそうなので、大きなロボットとか導入するよりも大いに安上がり。やはり家電というより業務用調理機器への応用がもっともっと期待できます。

hestanCUE_2022SKSJ.jpg
<<スマホレシピ情報と連動して調理するHestan Cue 今年日本で発売されたけど、業務用ユースが多いとのこと>> 画像提供:SKS JAPAN / シグマクシス

 家庭調理回帰、と言われても、結局、家庭では調理しない流れはとまりません。先日、新浦安イオンスタイルでは、冷凍食品専門フロアがオープンし話題になっていますが、もはや、食品ロスや調理に使うエネルギーコスト、そして何より家庭調理に費やす手間と時間を考えると、益々調理の外部化は進むでしょう。調理は、どこかに集中していく、、という一方で、分子レベルの3Dプリンターができると、物流不要で、調理(生産)は分散化するのでは、という興味深い話も出ていました。

(日本伝統のワザ・文化とわかもの・そともの)
 日本の伝統的な技術とそれにまつわる人、歴史・文化そして地域・観光というテーマのプログラムもいくつかあり、嬉野のお茶ツーリズム、また男鹿の駅舎を使って、新しい酒づくり、地域づくりを進めている 稲とアガペもおもしろい。お米を磨いて造る最近の酒づくりに疑問を持ち、「米を磨かず、田んぼを磨く。常識を疑い、技術を磨く。」と掲げ、新しいタイプの酒を醸造し(新しいタイプというのは、新たに日本酒の酒造免許を取得できないという事情から)、4合瓶で3千円で販売しているそうです。もちろん、高く売った分、農家から買い入れるお米の価格は、相応に高いものとなり、しっかり田んぼも磨けるというサイクル。食品に限らず、日本の技術はいいものと言われるけど、どういいのか、それを表現してくれるのは、若者・そと者。「はみだしてなんぼ」の世代が、新しいものを創造していきます。
いつも感じることですが、業界にどっぷり浸かると本当にダメ。3日にカフェカンパニの楠本社長が若いベンチャーと登壇していましたが、あのギラギラしていた楠本さんが!「若者について行きます!」と繰り返していましたが、決してウケ狙いでなく、ほんまやなぁ~と。私も、そろそろついていく先探さなあかんなぁと考えています。どなたか!

(そして予告です)
テックで、突き抜けたスーパーマーケットを目指す、ユナイテッド スーパーマーケット ホールディングス藤田社長が登壇され、個別にインタビューもさせてもらいました。こちらについては、またウェブメディアのリテールガイドに寄稿しております。ちょうど9月2日に、米国Beyond Meat社と国内独占販売契約を結んだと発表されています。これだけでなく、2019年のSKSで、「スーパーと組みましょう!」と呼びかけたとを次々具現化されています。

BeyondMeat_USMH_SKSJ.jpg
<<SKSJ2019で協働するパートナーをと、呼びかけたUSMHの藤田社長、突き抜けてます!>>



この記事の執筆者:
Foodbiz-net.com
道畑富美
スマートキッチンサミットSKSJ2022 - beyond community
  • 気に入ったらいいねしよう!
    FoodBiz.asiaは、広い視点でアジアの外食ビジネス情報をお届けします。