冷凍庫や冷凍庫の容量が大きい冷蔵庫が売れているそうです。11月3日付の日経新聞によると、冷凍食品需要の高まりを受け、セカンド冷凍庫が人気で、平均購入価格も上昇しているとあります。
買い物の頻度が減り、より長持ちする食材への需要が高まったこと、簡便化・即食化の流れ、また冷凍食品の質がよりよく進化していることなどから、冷凍食品の出荷量・金額とともに、前年を大きく上回っています。冷凍調理済み食品もまさに百花繚乱の様相です。そして、冷凍野菜や肉、水産物など、冷凍の素材もバラエティが増えて、売り場面積を着実に増やしています。
野菜など気候不順で高騰するときには、冷凍が安定した価格で好まれるなど、どちらかというと、サブ的な存在であった冷凍素材が、逆にメインとして選ばれているという米国の状況を、Deloitteの消費者調査がレポートしています。
"Fresh vs. Frozen" というタイトルのレポートでは、まさに、生鮮か、冷凍か、どちらを選ぶと、コロナで買い物頻度がおおよそ半分に下がった今では、やはり長期保存できる、つまり廃棄ロスの少ない冷凍の方が選ばれているという内容です。パンデミックで、生鮮品の売上は、2020年10%以上伸び、その一方で、冷凍食品はその倍、25%の伸びであった。未だ、生鮮品の構成比の方が大きいが、その構成比は、いずれ逆転するであろうと言っています。
調査は、2021年7月、全米18歳から70代の2千人を対象に実施したもので、3つのPがキーワードになっていると、Perishability, Price そしてPreference。当然、長持ち度においては冷凍食品が圧倒的優位であろうし、栄養的にも生鮮品と遜色ないこと、たとえば、ビタミン類が冷凍してもその含有量が維持されるなど、そういった情報を消費者は理解しており、そのうえで、どちらを選ぶかとなると、多くの人が冷凍に傾いて行っていると、とくに、62%の回答者が、生鮮品の方が冷凍食品に比べて、コストがかかると答えているのが、驚くべきことです。米国では、大容量で売られている生鮮品は、使い切れずに、日本以上にコストがかかるのかもしれません。
さらに、おもしろいのは、18才から34才、つまりZ世代とその上の世代では、大きく意識を違えていることです。青果、肉、フルーツ、そしてシーフードの分野で、将来的に冷凍を選ぶとする割合が、約半数かそれ以上となっており、旧世代とはがらりと異なります。
このレポートから見ると、生鮮品はなくなりはしないものの、冷凍素材へのシフトがますます進んでいくことでしょう。