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post by Fumi Michihata
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トレーサビリティーの透明性と責任のありか

2021年1月28日 15:22 - Miki Michihata
もう今年の1カ月が過ぎました。初夢は何を見たか忘れましたが、数年後には、以前のように海外へ行ったりできるようになるわと、あちこち行く計画を立てています(笑)。夢ばかりを見ていたら、あっという間に2月です。今週は、日本惣菜協会のパネルディスカッションでファシリテーターを務めました。コロナがきっかけで、変わったというよりも、以前からある流れが顕在化しただけという話にもなりました。詳しくは、後日の主催者である日本惣菜協会のページをご参照ください。

 先日、マクドナルドでハンバーガー食べたら、この敷紙。ミートパティをつくっているのは、スターゼン千葉工場。そして工場長の写真と署名が入っています。ハンバーガーを食べているマクドナルドの顧客に何を知らせたかったのか、同社の意図するところが、理解しにくいです。大手食肉工場でつくっているから、安全だということでしょうか。以前から、パティの原料については、フェイクも真実も話題になることが多いマクドナルドは、「この工場のもの使っているから大丈夫、国内工場だし、安心して召し上がってください。」という意図なのでしょうか。どうもすっきりしません。私は、マクドナルドのハンバーガーを食べにきたんだけどなあ~と。facebookにもこの写真をアップしたら、メーカー関係の方からコメントをいくつかいただきました。80~90年代は、大手外食チェーンやコンビニの商品をどこでつくっているかなどは、企業機密のカテゴリーに入る情報でありました。

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<<マックでバーガー食べているお客さんにはあまり関心が低いような情報と思いますが、、>>

食品表示に関わるルールが変わったことが一つの大きな流れとという指摘もいただきました。コロナですっかり置き去りにされてしまいましたが、2020年の4月1日より食品表示法の改正が、5年間の猶予期間を経て本格的に施行されています。食品衛生法、JAS法、健康増進法と、これまた縦割り3省庁により管轄される法律に規定される表示を一元化しようという目的です。原材料表示や栄養成分表示だけでなく、アレルゲン表示、主たる材料の原産地表示、またどこでつくったんや~?!という製造工場の名称など、より多岐にわたる情報の掲示が求められるようになりました。

 この表示が一元化される時期に、起こったことは、小売業者ブランドのPB商品(トップバリューとか、セブンプレミアム、など)の表示です。PB商品は、当然小売業者が製造したものでなく、契約された食品メーカーに製造が委託されています。この表示の一元化移行期間に、商品の裏には、製造を委託した工場やメーカー名が記されるようになっています。さらに、商品についての問い合わせ先も、販売社ではなく、製造者ということが多くなっています。トレーサビリティの透明性をさらに高く、、ということでしょうが、製造を委託している側、つまり小売り側の存在が何となく薄くなっている気がしてなりません。

 これはいいことか悪くことかという問題ではなく、先日、イオングループの新業態、ディスカウンタースタイルのパレッテに行ってみました。ドイツのリドルを意識したお店(これは、リドルファンから言いたいあり、また別に書きます。)当然、惣菜も売られていますが、販売されているアウトパック惣菜のメーカー名がデカデカと記されています。こうやって、製造者名を明記する傾向にあるのだなあと、あのマクドナルドの敷紙にも納得しました。
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逆に、堂々と勝負せよ!感があってよいなあと。今までアウトパック惣菜は、隠れた存在。自社ブランドで世に出る、売り出せる機会がやってきたのだと前向きに捉えられるなあ~と。日持ちしない惣菜の需要はもちろん今まで以上にありますが、もっと距離や時間を越えて、食卓に届けられる惣菜需要はもっと高まります。惣菜屋さんはもっと名前を出して、ガンガンやってほしいものと応援しています。

この記事の執筆者:
Foodbiz-net.com
道畑富美
トレーサビリティーの透明性と責任のありか
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