foodbiz.asia

post by Fumi Michihata
report

チェーン飲食業態には拡大の限界があるのだろうか。

2020年2月25日 07:10 - Miki Michihata

先日、すかいらーくフードサイエンス研究所が終了するに当たり、感謝の会に参加しました。1988年、すかいらーく創業の4兄弟が、創業から25年の節目の年に、食や健康に関する学術研究に助成をすることを目的に、私財を投じ財団としてスタートしたものです。30余年に渡り、実に469の研究に9億円500万円を投じ、学術研究をサポートされてきました。


 この研究所設立当時は、ファミリーレストラン全盛期、チェーン型の外食産業がもっとも元気な時であったかもしれません。その時に、食に関わる学術研究を推進されようという意思は、すごいこと。遡って、米国でチェーン外食産業を視察し、日本でファミリーレストランを興し、いまでは、外資ファンドが所有するチェーンになってしまいましたが、ガストやジョナサン、バーミアンなど全国に約3,200店舗を展開する飲食チェーンに発展したことは、すばらしい功績です。私は、最後の5年ほど評議委員を拝命していましたが、研究所のさよならの式典に参加でき、創業の皆様と言葉をかわすことができて、心より感謝申し上げます。


 またこの節目を、チェーン型飲食ビジネスの限界とも捉えることもできます。なぜ、日本では、米国のように、何万店までに外食チェーンが広がっていかないのかとも考えたいと思います。

例えば、最も店舗数の多いサブウエイは、米国内で24,798店、続いて、スターバックス14,606店、マクドナルド13,914店。ダンキンドーナッツが、9,419店(いずれも2018年restaurant businessより)と、日本のコンビニくらいに桁違いの店舗数です。一方、日本の外食産業では、最も多いのが、マクドナルドの2,910店、すき家の1,935店、スターバックス1,500店、モスバーガー1,293店、ココイチ1,262店と続きます。米国の人口の3分の1ですが、単純人口で割れば、日本での外食チェーンが展開する店舗数には、限界があるのかなあと。。食文化の違い、人口構造など、様々な要因があると思いますが、また機会があれば、書きたいと思います。


*)外食企業各社の店舗数は、それぞれ直近の決算短信など有価証券報告書、また月次報告などからの出典です。


この記事の執筆者:
Foodbiz-net.com
道畑富美
チェーン飲食業態には拡大の限界があるのだろうか。
  • 気に入ったらいいねしよう!
    FoodBiz.asiaは、広い視点でアジアの外食ビジネス情報をお届けします。