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post by Fumi Michihata
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二元論で語られる環境問題の危うさ

2019年9月27日 08:56 - Miki Michihata
  10月から消費税の増税と軽減税率の導入がスタートします。また、食品ロス削減推進法が施行され、食べられるのに捨てられている食品ロスを削減しようと、食品のサプライチェーンにおいて、川上から消費者の啓もうまで、食品ロスを減らすための方向性が示されています。

 環境問題では、国連の気候変動サミットで、スウェーデンの16歳の少女、グレタ・トゥンペリさんのスピーチが、メディアでも称賛されています。16歳にして、堂々と環境問題の解決を、負の遺産を次世代に残すな、経済発展よりも地球環境の持続性をと涙ながら訴える様は、心に打つものがあります。ただ、気になるのは、彼女の険しそうな表情。私は16歳の少女が、ここまで怖い顔して、訴えているのは何だろう、だれに向かってであろうかと。メディアも盛り上げ、ある種、熱狂・偏狭みたいなものを、私は感じます。

 決して、グレタさんを批判しているのではありません。食の安全問題もそうであったように、環境問題も、白か黒か、二元論的な論調で進んでいます。ダメと烙印を押されたものは徹底的に排除する。ちょっと恐ろしいような気もします。
プラスチック絶対ダメ!いやプラスチックもいいところあります。いかようにも形を変えられ、衛生的で、見た目にもわかりやすい。先日、あるお惣菜屋さんで買い物をしました。やはり脱プラスチックの声を受け、従来プラ容器で対応していたものを紙の経木に変えていましたが、包むのに時間がかかり、透明でないから中身がわかりにくい、汁漏れする。ここまでの代償を払ってプラ容器をあきらめるのって、あるのかな、とも感じます。先日、惣菜プラ容器の大手メーカーさんに伺った話では、かなりの割合で、リサイクルが実現しているとのこと。国内でみれば、プラスチック容器やPETボトルの原料の約45%がリサイクル原料であるということを聞きました。

プラスチックが悪いわけでなく、正しく処理しない、あるいは、他国にごみを押し付けてしまうなど、きちんと処理しない人間側に責任があるのに、それを改善せず、プラスチックを排除してしまおうという一元的な動きは、偏向しています。
プラスチックも、紙もいろいろな素材を使い分けて、環境持続性を考えるというのは、難しいですね~。

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この記事の執筆者:
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道畑富美
二元論で語られる環境問題の危うさ
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