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post by Fumi Michihata
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健康味から遅れる日本の食品産業

2019年9月11日 11:55 - Miki Michihata
 カロリー、炭水化物を抑えるなど、糖質ダイエットは、一般的になっていて、最近、企業の写真食堂でも、ご飯食べてない、あるいは量を減らしている人を見かけることが多くなりました。で、その食事への取り組みの結果はいかに、というところで、平成29年度の国民健康・栄養調査をみてみますと、BMI値や体格など、ここ10年程有意な変化はないようです。ただし、摂取塩分は減っているそうです。それに伴ってか、血圧も下がっているとのこと。とはいえ、日本人の食事は、塩分が多い。一日の摂取量がようやく10gを切ってきているようですが、EUの基準値は、5gとか6g、ひゃぁ~半分。まだ道は遠いですね。

味噌・醤油・塩、私たちが誇る和食文化は、塩味が強い。アジア諸国でも、日本のラーメンは、日本の塩分濃度のままでは、塩分が濃いと指摘されるのは、これらの国に出店する経験を持っている外食企業は経験したことがあることでしょう。わたしは、で、日本の物産品を販売した経験から、日本の食品に対して「塩っぱい、味が濃い、また甘いものについても甘すぎる」という指摘を香港人から受けることが多かったのです。塩分だけでなく、うま味調味料が多いのが、日本の食品。

 アジアの国ではそういう認識でいましたが、ジャンクフードの国と思われている、アメリカでも、日本の味って濃いなあと感じることがあります。
最近では、アメリカのスナックも、薄味になっているなあと気づきました。もちろん、全部が該当するわけではありませんが、デルタ航空の国内線機内食で出てきたスナックは、チョコレート甘甘バーではなくて、雑穀やナッツを使ったヘルシーバーに、もらったチーズクラッカーも、全粒粉製、食べてみると、ありゃ、薄味じゃないかと、、ピーナッツなども塩分がかなり抑えられていることがわかります。
protein_meals_deltaair.JPG
<<隣の席の方がとっていたプロテインミールズ、ゆで玉子に、チキンハンバーグに、果物らしき機内食。なぜか私は普通食選んでしまい、隠し撮り(笑)>>


 塩分、糖分は、なんとか減らそうという米国。ニューヨークでは、ファーストフードチェーンでの大きなサイズの炭酸飲料を販売禁止にという条例が結局は通らなかったですが、、意識ある企業は、さまざまに注意を喚起することを実施しています。サンドイッチチェーン、Panera Breadでは、ソフトドリンクを注文すると、カップをくれて、ディスペンサーからセルフサービスで自分で好きなだけ、飲めるようになっています。写真を撮るのを忘れてしまいましたが、カップにラインが引かれて、ここまでだ砂糖何グラムと明記されています。

 塩分も同様で、有名ステーキレストランでも、メニューに塩分を控えているお客様へと、塩を減らすこともできると、代わりに香辛料やシーズニングで美味しく味わってもらえる工夫があると、明記されています。(写真の真ん中あたり)
watch_salt_intake_keens.JPG

こういった取り組みは、どれほど効果があるのかわかりませんが、、日本の外食、また食品産業も大いに参考にすべきかと思います。濃い味は売れるのでしょう。売れる味を基準に商品も開発されるのでしょうけど、、なんだか日本の低迷ぶりが、食品の味に表れているように感じます。



この記事の執筆者:
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道畑富美
健康味から遅れる日本の食品産業
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