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post by Fumi Michihata
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ミニスーパーに行くワケ

2018年8月26日 20:46 - Miki Michihata
 涼しくなったと思ったら、また猛暑・激暑。食欲も料理をする気力も減退。そして買い物する気すらなくなってきます。自宅近くには大手食品スーパーがありますが、最近、よく足が向くのは、イオンのまいばすけっとです。

徒歩3分内に、すでに3軒のマイバスケットがありますが、ここ最近、近くにまた2軒オープンしました。コンビニと同密度に迫ります。2005年の開業以来、駅立地やマンション集中立地に店舗を展開し、今では、その数、東京487店、神奈川224店にもなります。またイオン北海道は、札幌市内に35店舗を展開しています(2018年8月25日現在「まいばすけっと」サイトより)。 特売なし、ちらしなしと不要なものはそぎ落とし、20~30坪くらいの売り場に食品スーパーを押し込めた感じの低投資型業態です。2011年から株式会社まいばすけっととして運営しており、売上は約1400億(2018年2月決算公告)の規模となっています。

私自身、今まで利用していませんでしたが、野菜や果実の品揃えも増え、鮮度も近くの食品スーパーと変わらないこと、そして何より、小さな売り場で買いたいものがさっと変える気楽さから、「まいばす」ファンになっています。夕方は、近隣の主婦、夜は、一人暮らし風の若い人や単身赴任風の男性が、3台あるレジに並んでいます。コンビニは、出来上がりすぎていて想像がついてしまう、「まいばす」は、お値打ち感あるトップバリュブランドがあり、また大手メーカーの新製品など、意外なものが発見できる楽しみもあります。
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<<秋葉原昭和通りにオープンしたばかりのマイバスケット、広めの店舗で冷凍食品もかなり充実しています>>


(若い世代は、食品スーパーよりミニスーパー)
マーケティング調査会社のドゥハウスが、まいばすけっとのようなミニスーパーについて、20-30代のミレニアルズ世代と40-50代とを対象に調査していますが、ミニスーパーがミレニアルズ世代に支持されているとの結果を公表しています。通常は食品スーパーを利用し不足分をミニスーパーで買い足す上の世代にとは違って、ミレニアルズ世代は生鮮品も購入する傾向にあるようです。ミニスーパーを利用する理由として、利用しやすい開店時間やお値打ち価格であることが挙げられます。それ以上に、ミニスーパーに、魅力があることをミレニアルズ世代は回答しています。

(時短と無駄なし)
まずは、無駄を省くことができる点です。食べきれる惣菜だけでなく、調理しても使い切れる量が提供されていることが、利用を動機づけるポイントとなっているようです。無駄ぎらいは、若い世代だけではありません。ある記事では、シニアの単身赴任の男性、冷蔵庫は飲料のみで、食べるものは必要な分だけ買う、だからまいばすを利用するというコメントがありました。時短も大事ですが、無駄なしも、高齢化・単身世帯化が一層進むと、ますます見逃せないキーワードとなります。

さらに、興味深いのは、ミニスーパーに「料理を楽しむ、食事を楽しむ」要素を感じるという若い世代。例えば、まいばすけっとは、1回分の料理の素(調味料)などが充実しています。調理に手慣れた食品スーパーユーザー層には、響きにくい料理の素のような提案型商品ですが、レシピサイトで指南されたら調理するミレニアルズ世代は、料理の素のようなアナログ情報インプットでも動くのだなあと感心しました。いつでも満タンの品揃え、整然とした売り場、食品スーパーに求められるものが大きく変わってきていますね。
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<<こういう調味料系が、ミレニアルズ世代の調理心をくすぐるのでしょうか。>>

(参考資料)
株式会社社員採用情報

株式会社ドゥ・ハウス「ミニスーパー」に関する調査結果 2018.08.14


この記事の執筆者:
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道畑富美
ミニスーパーに行くワケ
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