暑い夏、水分補給は欠かせませんが、今では、四季を通じて、机の上、カバンの中、飲み物は手元に置いて、いつでも飲むものとなりました。「ちびだら飲み」が定着し、最近では、こういった飲み方需要を捉えて、ペットボトルのコーヒー飲料が売れているようです。蓋付きペットボトルにして、容量を増やしただけでなく、その味も、気分転換にぐいっと飲む、甘くて濃いの缶コーヒーのオヤジ系から、あっさり糖分低め、あっさり草食系へ。
従来男性向きだったコーヒー飲料の顧客層を女性にも広げたようです。
(ちびだら飲み、ちびだら食いは、チャンスか)
飲むことだけでなく、食べる方も、一日3食「メリハリ食べ」(わざわざメリハリと付けておきます)から「ちびだら食べ」「ながら食べ」にシフトしています。お腹が空いたら食べる、スナック市場は、人口減少ながら伸びています。いわゆるスナック菓子は、ポテトチップスは、昨年の不作の影響からちょっとダウンしていますが、どのカテゴリーも伸びていますね。
<<日本スナック・シリアルフーズ協会統計から>>
お菓子市場も全国菓子卸商業組合連合会と全日本菓子協会が共同で設立した「e-お菓子ねっと」によると、国内生産額は、2兆5千億円。人口減少ながらも伸びおり、コンビニ拡大でコンビニで売られる菓子、機能性を謳うもの、また時間かけて食べられるものよりさくっと食べられるタイプのものが売れているとのこと。これについては、ガベージニュースのページでわかりやすくグラフ化されています。
2016年秋に遡りますが、ファミリーマートが新しい間食のスタイルとして「ヘルシースナッキング」と提案し、専用の棚を配置していましたが、最近は見なくなりましたね。すでに、定着しているのかな。スナックに分類されるかどうかわかりませんが、ここ数年最も伸びたグラノラ。その市場をけん引したカルビーのフルグラは、スナック感覚でさっと食べられるヘルシーな朝食への需要を捉えて、強力な営業力で広げていった前社長のリーダーシップにより、今や国民的朝食、いや東アジア的朝食の一メニューとなっています。ただ需要があるだけではだめで、そこに強力に「売る力」があってこその、需要創造です。
(行政のサポート)
米国でも、スナック市場はが、従来のスナックではなく、ヘルシースナックが伸びていることです。従来の油脂と砂糖でまみれたジャンクスナックとは一線を画す、低糖・低脂質そして機能的な素材、またフレッシュな野菜や果物も含めて、広く定義されるようですが、New Hope Network2018年8月5日の記事に掲載されている売り場マップでよくわかります。
<<ハウスが米国で販売している豆腐スナック 照り焼き味でおいしい。オレンジと豆腐?>>
<<NYのFancy Food Showで、フードトレンドの一つ、今まで食べて来なかったような海藻や海苔などもスナックの素材として紹介されている>>
大学生の時にはじめて米国へ行き、空港などの待ち時間にチョコレートバーなどもぐもぐ食べている人が多いなあと感じたことを覚えていますが、ちびだら飲み食い習慣、と高カロリースナックが定着しています。その食習慣ゆえの健康問題も見た目にも明らかです。
最近では、行政がスナックについてもガイドラインを設けています。CDCとUSDAによる、学校でのスナック(だいたい学校に持ち込み禁止やろ)について、"Smart Snack"というもの。イラストを見ると、無糖飲料やナッツ、果物類などを推奨しています。もちろん、スナック業界もバックについているでしょうから、スーパーマーケットには、ヘルシーっぽいスナックがあふれていまし、先のNew Hope Networkの記事によると、まだこの市場は、まだ伸びしろがあるとのこと。
確実に、ちびだら飲みやながら食べは、全世界的に普及しています。ただ、その弊害はないのかなと、気になります。歯科医師的には、ダメでしょうね。私も試食などで、だらだら半日食べることがありますが、歯が汚れるのを実感します。それから、口をつけてペットボトルを一日常温に置いていたら、雑菌も繁殖するだろうなあと、、子どもの頃は、何かをしながら食べることは行儀が悪いと言われたものですが、、もうそんなことも遠い昔のことですね。
(参考資料)
食品新聞2018.8.1 「サントリー「ボス」半歩先の戦略 「容器」起点の発想脱し「価値」へ視点転換」
New Hope Network 2018.8.2 Fresh snacking makes the perimeter even more central to grocery store success"