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post by Fumi Michihata
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Fast Casual業態を研究すべき 日本の外食産業

2018年7月18日 06:47 - Miki Michihata

改めて、アメリカの小売業、飲食業は、その運営のしくみがすごいなあと感じます。日本のセブンイレブンのしくみも完成度が高いですが、Costco、Walgreen など、大きな売上、膨大な店舗数を維持する企業は、店に行ってみると、しっかりした運営が伝わってきます。そして、やはり外食産業も上位にランキングされる企業は、しっかり仕組みができています。

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<<Walgreenは、ドラッグストアを超えて、食品コンビニとクイックサービスレストラン>>


飲食業を見てみると、しくみで動かす企業が市場を占有しています。日本の外食産業は、売上上位100社でやっとこ市場全体の4分の1ほどのシェアですが、米国では、上位5位のマクドナルド、スターバックス、サブウェイ、タコベル、バーガーキングの5社だけで、市場シェアの1割を超えます。外食チェーンで市場が占められているとは、ある意味、3億人もの人が同じようなものを食べていることになるわけですが、米国外食業は、まさに『産業」、しくみで動いているなあと改めて認識します。もちろん、元々の食文化が、ハンバーガー、ピザ、サンドイッチと画一的であることが背景にあります。日本の食文化は多様であることも背景に、大手企業による寡占化が進まず、効率化が進みません。


食文化的な要因はあるとはいえ、サービス面では、米国では、クイックサービスが主流。サービスにはあえて力を入れずに、美味しいものを安価手早く提供することに主眼がおかれています。昔のアメリカのレストランマネジメントの教科書には、レストランとは、TSRとQSR 、つまりTable Service Retarantか、Quick Seivice Restaurant の2種類とありました。中途半端はないのです。


アメリカの外食企業の上位100社を見てみると、QSR業態が46社、日本でいうファミレス業態33社(カジュアルダイニングとファミリーダイニングと区別されていますが、その境目がわかりませんので、ファミレス業態として括ります)、ファストカジュアル業態が19社,ファインダイニングが2社という内訳になっています。ファストカジュアルとは、明確な定義はありませんが、スクラッチ、つまりできるだけ素材から調理し、出来立てを提供する、客単価は、10~15ドル。日本に進出してきている業態でいうと、Shake Shack、Pand Expressなどが挙げられます。

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<<サラダのsweet greenは、イートイン、テイクアウト、オンラインオーダーで多数の顧客に対応>>


人材不足の今、日本の外食産業が効率化を図るのであれば、AIやロボットのほかの、サービスをクイックサービス型つまりクイックサービス型に変えて行くのが真っ当なのではないかと、私自身思います。ファストカジュアル業態は有望と思います。フードコートで運営する業態などで実現されていますが、もっと都市型立地や路面店でも拡大していけばおもしろいものと思います。

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<< 業績アップを続けるPanera Bread ボストン地区限定、ロブスターサンド、泣かせる、美味! >>

この記事の執筆者:
Foodbiz-net.com
道畑富美
Fast Casual業態を研究すべき 日本の外食産業
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