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post by Fumi Michihata
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冷凍食品は、世界規模でアップトレンド

2018年6月15日 16:25 - Miki Michihata
 食品機械の展示会(FOOMA JAPAN)を見てきました。人材不足の食品業界、省力化をテーマにするブースが多く、完全自動化という言葉やロボットによるお弁当ラインの盛り付けの様子など、プレゼンテーションにくぎづけになっていました。また、品質保持、ロングライフ化についても興味深い技術がたくさん紹介されていました。

保存技術の一つである冷凍食品について、先日、Wall Street Journal に「冷凍食品売り場がアツい!」という記事が出ていました。Healthy Choiceという、その名の通り、健康を訴求する冷凍食品が、80年代後半に発売して以降、最近ではパッとしなかったものが、エスニック風味やスーパーフードなど素材を使ってリニューアルしたところ、健康意識の高い層から支持を得ているという内容です。実に、Healthy Choiceを展開するConagra社は、この四半期で冷凍食品の売上は2.6%アップしたといいます。
低糖質志向、加工食品はイヤという建前と調理するのは面倒という本音のところから、冷凍食品がホットになっているそうです。

調査会社のNielsenによれば、米国での冷凍食品の売上は、前年の1.4%増で、この記事の中には、特に冷凍野菜が4.5%増で伸びているとか。また、肉よりベジーバーガー、甘いペストリーよりベーグルというように、健康志向の冷凍食品に人気が集まっていると同記事には書かれています。時を同じくして、Washington Post やグルメ系のサイト TASTE にも、冷凍野菜の利点が述べられています。Washington Post の記事では Green Giant のパスタや米など糖質を野菜に代替する 冷凍野菜がえらくもてはやされています(記事広告かな).日本では、ローソンがお米の代替として、米粒状にカットしたカリフラワーを使ってカレーを出しましたが、アメリカと同様にはいかなかったようです。

健康云々というよりも、時短、簡便という理由で、冷凍食品、冷凍野菜が売れているというのは、納得がいきます。
Frozenfood_in_AKAIKE_Yokado.JPG
<<名古屋赤池のヨーカドー 冷凍食品は通路でなく、壁面に並ぶ>>



 日本の冷凍食品市場も、日本冷凍食品協会によれば、一人当たりの冷凍食品消費量は前年より1キロを増え22.5kgとなり、消費額も1兆円を超えたとのこと。日本でも同様に、冷凍野菜の需要が高まっているようです。昨年も野菜が高騰したことも背景に、冷凍野菜を利用する機会が増えたようで、同協会が行った消費者アンケート調査にも表れています。 冷凍食品といえば、調理の簡便なレディミール商品だけかと思いきや、冷凍野菜にも注目が集まっているのは、おもしろいなあと思います。

写真は、ミニストップで売っているお弁当冷凍真空パックですが、素材だけでなく、こういう レンジで加熱して食べる冷凍食品も...今後いろいろな形態がでてきそうです。
frozenfood_ministop_vaccumpack_2.jpg
<<真空パックで冷凍弁当。ガパオライスは、まずまずのおいしさでした。>>
frozenfood_vacuumpack_picard2017.JPG
<<昨年フランスのピカールで、真空包装冷凍、同様のものを発見。こちらのノウハウですか?>>


世界の冷凍食品市場は、2019年末には2,940億ドル(約30兆円)になるというデータもあります。素材からレディミールまで、実に多様化した冷凍食品が、私たちの食卓に登場する機会が増えていくはずでしょう。


(参考資料)
Wall Street Journal 2018.6.7  "Why the Frozen-Food Aisle Is Hot Right Now"

一般社団法人日本冷凍食品協会 統計 と 「平成30年冷凍食品の使用状況実態調査」


この記事の執筆者:
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道畑富美
冷凍食品は、世界規模でアップトレンド
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