食品安全をグローバルに推進するGFSi (Global Food Safety Initiative)の2018年会議が東京で開催されました。機会をいただいて参加しました。3日間みっちりのプログラムで、頭パンパン、まとまりませんが、ご報告しておきます。GFSI(Global Food Safety Initiative)は、急速にグローバル化そして複雑化するフードシステムにおいて、食の安全をより確かなものにするために、世界有数の流通業、メーカーなどがリーダーシップをとり、企業だけでなく、行政、アカデミアとも連携取りながら、進めている組織です。
ISOに続き、日本の食品業界でも一般的になりつつあるFSSC22000の認証制度も推進している団体です。日本では、流通業ではイオン、大手メーカー、また、ヤマト運輸などのバックシステムの企業などが参加しており、ウォルマート、メトロ、カルフールなどの流通業やネスレ、カーギルなどのメジャー食品産業が参画しています。
食の安全は、食品衛生管理、farm to tableの衛生管理、トレーサビリティにトランスペアレンシー、教育、消費者含めステークホルダー間の信頼関係など、今まで語られていたところですが、今回は、IOT、AI、ビックデータ、ブロックチェーンなどのキーワードが核となって、とても刺激的な内容でした。加えて、人にとっての食品安全だけでなく、環境や社会的な持続性、動物福祉、そして全体としての価値の創造など、、非常に広い視点で、ディスカッションが重ねられていました。
<<低音が響きます、迫力ある日本マクドナルド サラ社長>>
(ソーシャルメディア)
もっとも興味のあるところで、消費者へのコミュニケーション。ソーシャルメディアが普及した今では、消費者へのアクセスや情報の提供が劇的に容易になりましたが、逆に、マイナスの情報も広がるのがあっという間という、もろ刃の剣ではあります。この点について、日本マクドナルドのサラカサノバ社長が登壇し、鶏肉のスキャンダルから、いかに顧客と対話を重ねていったか、特に子供を持つ女性たちとの対話、そして、ウェブサイトでの情報提供、顧客からの声をきくしくみ、を話されました。一時はメディアに叩かれボロボロになっていたサラ社長、自信に満ちて堂々とされていました。
(食品安全は、情報テクノロジー)
もはや、いつどこで何を誰がという情報は、 GPSや内蔵時計、各種のセンサーで記録は自動化されることは可能。これらの情報の蓄積をブロックチェーンで繋いでいく、自ら学ぶ力を持った AI 、また微生物は、DNAで塩基配列もシークエンサーで短時間で特定するなどの技術を企業がプレゼンしていましたが、これらの仕組みは、すでに現実のものとなり動いています。
<<食品安全の情報ネットワーク、 中国ベンチャーの若い女性>>
<<いつまでこのスライド使うねん!の農林水産省>>
久しぶりに食品安全テーマの国際会議に出て、ガーンとやられました。特に、中国が食品安全の分野ですごいスピードで進歩していることも感じます。日本は「日本食すごい!」で胡座かいていたところ、追い越されていることは確かなように感じます。
輸出の業務をかじるようになって、貿易は、国と国とのぶつかり合いと感じることがあります。食品安全は、グローバル化しており、いかにリーダーシップをとるかが、日本食すごいの精神論では、競争に勝てないなあと感じます。
希望は、若い世代のおにいちゃん、またもフードサイエンス界でも羽生(はにゅう)さん、細胞培養による肉を開発。その発想もおもしろいし、フランケン技術とも思えるような科学技術を伝えるツールは、マンガ!なんて、ユニークなドクターであります。
<<フードサイエンス界の羽生くん、めちゃ早口英語、お父様の仕事関係でパキスタンからオックスフォード大学だそうです!>>
GFSiから会議のサマリーがでています。こちらから、