8月末にオープンした東京駅のグランスタ、そろそろ落ち着いてきたころと、金曜夜イータリーへ行ってみました。立ち飲みスペースは、若い女性グループたちでぼちぼちと埋まっていますが、レストランスペースは、3分の2くらいは空きがあり、予約なしでも着席できました。なぜかしっくりこないイータリー、ミラノやNY、シカゴの濃いイータリーには、なかなかなれませんね。
<<EATALY 美しい盛り付けですが、、目に訴えるより、脳に訴える味を>>
イータリーと同じ並びの、福岡、久原醤油「茅乃舎」の"おだしバー"は、23席あるカウンターは、女性で満杯です。女性一人で食べるなら、カウンターの方が気楽だし、ヘルシーな食事が好まれるのかな。併設の物販コーナーでは、たくさんの女性がだしを試飲したり、店員さんの説明を聞いたり、ラベルを読んだり、そして、おだしパックを購入されています。実はちょっとびっくりしました。若い女性も"洋もの"より"おだし"なんですね。
<<汁物とごはんだけですが、、女性客でいっぱいです>>
(だしの旨味は、脳の報酬系に響く)
龍谷大の伏木亨先生によると、だしの旨味(アミノ酸、核酸)は、脳の報酬系を刺激する、快楽を感じる神経伝達物質、ドーパミンが放出されるのだと、つまり、だしは、「病みつきの味」であるいうことを研究されています。同じく、おいしい脂肪も同様な刺激が脳に伝わるそうです。ということは、ラーメンは、最強の「病みつきの味」ですね。最近のラーメンは、魚介系のだしがよくつかわれています。先日、鰹節屋さんにお話を伺う機会がありましたが、最近、かつお節などをよく買ってくれるのは、ラーメン屋さんだそうです。
<<海外から帰ってきたら食べたくなるのは、汁もの>>
イタリアンにも、肉のだし、トマトの旨味(グルタミン酸が多い)などありますが、日本独自のだしは、昆布(グルタミン酸)、かつお節(イノシン酸)などの魚介系のだし、また干し椎茸のような野菜などからのだしもいろいろ合わさって(いくつかの味が合わさってさらに相乗効果も出ます)でてくるうま味が、私たちの脳をとりこにしているのでしょう。
ただ、だしの味だけでは、「やみつきの味」が完成しないこともネズミを使った実験で伏木先生は説かれています。嗅覚を鈍らせたネズミにだしを与えても反応しないのだそうです。つまり、だしの香りも一緒になって「やみつきの味」が脳に刺激を及ぼすのだそうです。香りの成分の研究は、まだこれからだそうですが、だしが私たちを魅了すること、食のビジネスにも大きく、深く関わっています。