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post by Fumi Michihata
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冷凍食品 外食・中食のバックヤード需要は底堅い

2017年10月14日 12:47 - Miki Michihata
 10月18日は、冷凍食品の日だそうです。冷凍の凍(10)とマイナス18℃以下という保存温度帯から由来するとか。家計調査をみても、調理食品のなかでもダントツ伸びているのは、冷凍食品カテゴリーです。デパ地下惣菜の雄、ロック・フィールドも冷凍食品のオンライン販売を9月末にスタートしていますし、イオンが展開するフランスの冷凍食品専門スーパー、ピカールも5号店目を開店するとのこと。

(生鮮食品と化す冷凍食品)
最近、スーパーマーケットでの冷凍食品の売り場がずいぶん様子が変わってきています。半額セール必至のNB商品だけでなく、小売業のPB商品が頑張っています。業界でも冷凍食品開発を先んじたヤオコーはじめ、各社工夫を凝らしています。イオンのワールドダイニングシリーズは、エスニック系多く、非日常が楽しめます。コンビニのPBも、セブンアイ、ファミマの写真入りパッケージもインパクトあります。安価で、味も悪くないです。
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<<コープこうべのおかずセット冷食は、298円均一>>

 単身世帯の増加、女性の社会進出などの理由で使い勝手よく、手頃な冷凍食品は重宝され、こうしたPB含め、冷凍食品のスーパーやコンビニでの売れ行きも大きく伸びていることでしょう。ただし、冷凍庫のスペースも限られているし、半額セールがあってもどうしようかなと困ることもあります。家電メーカーのCMなどみると、現実とはかけ離れた夢のような食生活を描いており、家電メーカーのマーケティング力って???疑問に思います。
ともあれ、コンビニの冷凍食品など、買い置くものではなく、食べたいときに買うもの、もや、生鮮食品と化しておりますね。

(冷凍食品の多様化)
 話がそれましたが、売り場も冷凍食品売り場だけでなく、多様化してきました。鮮魚売り場の横には、シーフードミックスの素材系や煮魚、焼き魚などの冷凍食品を並ぶケースを置くスーパーも増えてきて、その売り方や消費者の使い方も変わってきたなぁと感心します。
先日、銀座三越の食品売り場で目にしたのは、デパ地下惣菜の冷凍ものが売られていること、中華惣菜の四陸(フォールー)の点心類なども並んでいます。ええ、これってバックヤード商材ちゃうん?!とうい感じですが、業務ユースが、消費者用に転用されただけです。こういった惣菜メーカー・小売業、あるいは惣菜ベンダーなども、どんどん消費者向き商品を販売に乗り出す可能性もあるなあと、この先は、カオスですね。

 一般社団法人冷凍食品協会の統計では日本の冷凍食品市場において、業務用:消費者向けの割合は、工場出荷量ベースで6:4だうです。かつては7:3だったところ、今では消費者用が増えているとのことです。この数字に意味があるのかないのかわからないほど、現在の市場は、複雑多様化してきています。

同協会の広報ご担当に伺うと、この統計のデータは、加盟企業への質問票の回答からの積算であるとのことです。会員名簿を拝見しますと、外食産業のセントラルキッチンなどで社内での販売する場合など、統計には計上されないものが大きいように思います。ちなみに、現在、日本人一人当たりの冷凍食品消費量は、21.5kgとのことですが、その裏側は、かなりの冷凍食品が流通していることでしょう。 

家計調査をちょっといじってみました。調理食品支出に占める冷凍食品の伸びが大きいですね。
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<< Change of Expense for Prepared Meals 調理食品の消費額の変化>>
Japanese governmental survey of household economy 
この記事の執筆者:
Foodbiz-net.com
道畑富美
冷凍食品 外食・中食のバックヤード需要は底堅い
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