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post by Fumi Michihata
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BIOは定着、VEGAN(菜食)に沸くミラノのスーパーマーケット

2017年9月 5日 07:01 - Miki Michihata
 デンマーク滞在中、ミラノへ行ってみました。イタリアCOOPが、ミラノEXPO2015で提案していた未来型スーパーマーケットを、ミラノ郊外に実現したと聞き、行ってみました。EXPOでご覧になった方もいらっしゃるかもしれませんが、大きなディスプレイで、販売している農水産物や加工品の情報やレシピを見ることができるというものです。コンサルティング会社アクセンチュアとCOOPが共同開発したものですが、2年前のミラノ博では、おお!と思ってみましたが、今では、特に感激なし。大きく、見づらい画面でなくとも、顧客のスマホに飛ばせばいいやん、という感じ。情報系の世界では2年は長い、すでに新規性はなく、お客さんもまばらでした。
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<<future coop かっこいいのはかっこいいが、、>>

 イタリアは、有機農産物(BIOと呼ばれます)が定着しており、スーパーでも、市場でも、オーガニックを意味するBIOマークが目立ちます。また、穀物なども精白していないものが増えており、パスタも黄金色ではなく、茶色っぽいものが目につきます。2015年、Global Organic Farmingという団体によれば、2015年イタリアの有機農産物作付け面積は、約12%あり、国内産有機農産物はかなりのシェアを占めるようになってきています。ちなみに日本の有機農産物作付け面積は、全体の1%未満です。
 もともと種類豊富な豆類に加え、さまざまな雑穀があり、皆どうやって調理方法を知って、料理しているのだろうと想像を巡らせたりします。イタリアはパスタ、小麦と想像されがちですが、北イタリアでは、お米も水田で栽培しており、その生産量は欧州1位で、約150万t、リゾットやサラダ、また加工品となっています。ポンせんべいなども売り場でかなりの位置を占めています。改めて、イタリアの豊かな食材、食文化を思い知ります
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<<自然食品スーパーnaturasi もイタリア全土に展開中>>

 ここ数年、ドイツ、英国、北欧とレディミールの発展するヨーロッパの国々を見てきましたが、イタリアでは、スーパーでのレディミールの棚も小さく、家庭で何かしらの調理をしているなあという印象を受けました。もちろん、カット野菜も一般的ですし、生パスタやラビオリ、パスタソースなど、ready to cook商品はたくさんありますが、少なくとも電子レンジでチン、できあがりというレディミールは、少数派です。家族という概念があるような感じ、皆で食卓を囲む機会は、北の方の国々に比べて、まだ健在のようです。

 もうひとつは、vegan(ヴェガンと呼ぶようです)、ヴィーガン、菜食、卵も乳も食べない食志向がえらく目立ちます。有機(ビオ)食品専門店はじめ、イタリアでCOOPにつぎ、2番目に大きいスーパー、esselungaでは、自社bioPB商品がしっかり確立、そして、vegan商品は、ひとつの棚を構成しています。なんと、ドイツのディスカウンターLidlもしっかりveganコーナーがあり、それなりの存在感です。一時のブームで終わるのか、定着するものか、わかりませんが、栄養的には問題もあるようです。
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<<イタリア有数のスーパー esselungaもこの通り。>>
 イタリアでは、子供に菜食を強いる親について、ペナルティーを与えるべき、といった議論もあるようです。BBCの記事のリンクをはっておきます。健康志向も行き過ぎてはいかんですね。

FAO 統計 http://www.fao.org/faostat/

この記事の執筆者:
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道畑富美
BIOは定着、VEGAN(菜食)に沸くミラノのスーパーマーケット
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