イオンの98円豆腐を扱ったブログ記事が話題になっていました。その記事の内容の稚拙さはあまりあるもの、食の安全、科学的視点からは、Buzzfeedにてサイエンスライターの松永和紀さんがばっさりやってくれています。
このことから、ふたつのことを考えました。
ひとつは、今更ながら、ネット上の情報のええ加減さについて、特に、アクセス数至上主義には問題あるなあと。この記事は、個人のブログ記事。私も、facebookでシェアされているのを目にしました。そして、多数のアクセスがあったのでしょう。Yahooでも取り上げられ、圧倒的なアクセス数になったところで、あちこちから指摘があり、このような事態となったものです。
記事をピックアップしたYahooは、即座に記事は取り下げられています。そして、知らん顔して、Yahoo関連のBuzzFeedサイト上で、松永さんに、その過ちをフォローしてもらっているという、ずさんさ!先に取り上げたことについては、コメントされていますが、既に削除されていますと、堂々と(笑えます)。関連会社だろう!
Yahooのニュース担当者は、SNS上で話題になっていることだけから、このブログ記事を取り上げたのでしょう。そこにプロフェッショナルのレビューは不在です。我々の多くが使うポータルサイトであるYahooは、大きな影響力もある、その責任をちゃんと受け止めるべきです。
もうひとつは、申し訳ないくらいの豆腐の価格です。
豆腐の規格は、衛生面等では、食品衛生法で以下のように、製造、流通、販売の際の基準が示されています。豆腐の材料や工程についての規格については、確たるものはないようで、全国豆腐連合会では、表示や添加物についての記載があります。ブログ記事に掲載されたイオンの豆腐も、大豆、凝固剤などをつかった立派な豆腐です。法に触れることはなにもありません。イオンだけでなく、このテのPB系豆腐は、えげつなく安い。ほんと、頭が下がります。
ここまで安いと、「安価すぎることからの不安や不信感」から偽装と書いたブログ筆者の心情には、少し共感する部分もあります。特に、対象にあげた豆腐の原料が、有機中国産大豆だっただけに、たちが悪いですね。
最近では、国からも、豆腐油揚げを不当に廉売することのないようにとの通達がでています。これは、小売業からの圧力について、力点が置かれるものです。加えて、先に書いたように、豆腐の規格が明確に定義されていないことも、消費者が惑わされれる原因のひとつではないでしょうか。豆腐の価格は、超安価な豆腐から1丁4~5百円するものまで同じように並んでいます。なにがどう違うのか、販売側が消費者に伝えることが求められているのではないかと思います。でも、それどうやって伝える?!
注)写真は、四谷三丁目にある栗原豆腐店、記事とは関係ありません。百年以上つづく老舗です。豆腐もおいしいです。
(参考ウェブサイト)
一般財団法人 全国豆腐連合会 による豆腐の規格説明
なお、豆腐の常温流通通保存についても、業界団体から意見書がでており、審議が進行中。