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post by Fumi Michihata
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CP欧州レディミール工場 潜入記

2017年8月 7日 11:29 - Miki Michihata

 レディミールや惣菜と、今までチルドや冷凍の棚ばかりを見ていましたが、常温のレディミールのこと、実はごそっと抜け落ちていました。気がつくきっかけとなったのは、5月に、ベルギーにある、タイCPグループの常温レディミール工場を見学したことからです。

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<<TOPS FOODS社の商品ラインナップ>>

 CPグループは、ご存知、農業・食品分野のコングロマリットですが、TOP'S FOODSというメーカーの工場は、アントワープの郊外にあり、CPの会長が気に入って、2014年にポーンと買収したものだそうです。なんと、製造ラインにいる、たった7名(ほとんど機械のコントロール部隊です)が、最大1日10万食をつくる能力があるのだそうです。

 惣菜工場というより、ほとんど管しかない工場。したがって、材料を仕込むところしか見れません。材料も、常温品(米やパスタ)と冷凍したもの、あるいは野菜ならカットしたものと、加工度が高いものに限られ、メニューの数も限られています。シチューやパスタソースあるいはカレーソース。そしてパスタかご飯がセットされているようなスタイルです。カレーを作っているところを見学しましたが、中央の仕切りで二つに分かれている容器に、アルファ米と大きなドラム式の調理機で調理したソースを充填し、シールして、マイクロウェーブで殺菌するという方式です。この殺菌方法が、ここの肝(きも)です。

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<<工場見学の後、いくつか試食させてもらいました。カレー、ラザニアはイケるお味です>>

製品の多くは、アルディやカルフールなどPB商品として販売されるようです。ALDIでは、1.89ユーロで売ってました。200円ほどでしょうか。安い!いくつか食べてみました。カレーも風味よいです。完食するには、パスタ類は、同じ味が続いて、ちょっと辛いかなあ~、という感じです。それにしても、すごい工場です。CPグループの会長が、一目見て気に入り、ポーンとお買い上げ!されたそうですが、、目端の利いた会長様、きっと今後の可能性を感じられたことでしょう。

常温レディミールの存在を気にしながら、そういえば、フランスのシステムUには、ずらりと1列並んでいたなあと、みると、おもいしろいものがいっぱいあります。タジン風、煮込みお鍋風の容器もかわいらしいです。

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<<こんな並んでます。でも先日来てくれたアルジェリア系フランス人インテリは、これは食べないなあと言ってました。食べさせてごめんね~>>

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<<bio(有機)もあれば、かわいい器もいい感じ。タジンはおいしかったです。>>

日本でも、カゴメが販売しているようなスタイル、ドラッグストアやスーパーで目にしますが、あまり人気がないのでしょうか。安価で、冷蔵庫に入れずに保管できるから、非常食としてはすごく便利。また、買い物に出かけにくい高齢者にもよいかもしれません。

アジア市場では、カップ麺が常温レディミールとして不動の地位を占めているので、食文化的には需要が小さいかなと思いますが、常温で1年以上保存できる点では、冷蔵庫のないような地域、また業務用(実際にLCCエアラインの機内食に使われているそうです)など、用途を見据えて行けば可能性がありますね。

いくつか商品をsweets-deli研究会ブログに掲載しました。こちらもご覧ください。

Top's Foods工場については、日本経済新聞2015年11月15日の記事にも掲載されています。



この記事の執筆者:
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道畑富美
CP欧州レディミール工場 潜入記
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