1年ぶりのバンコクです。色々な意味で、日本よりずっと進んでいるなあと感じることがいくつかありました。ひとつは、デザインのセンス。なんかかっこええやんというのが結構あります。ショッピングモールや店舗デザインにしても、進んでいます。
この時期に開催される食品の見本市Thaifexは、昨年はいけませんでしたが、一昨年の2倍の規模となっており、大変にぎわっていました。食品についても、そのパッケージデザインも日本ものとひけをとらないほどです。また、健康や環境を意識した商品が山のように展示されています。素材訴求型のものが増えています。実際に。、コンビニやスーパーの棚でも、タイでふんだんに手に入る、豊富な種類の果実をつかった、"素材おし"の商品が並んでいます。ただ甘ったるいものを追うのではなく、素材を求めるように、消費者の意識も変わっているのでしょう。
<<食のトレンドを掲示していますが、甘味は減る方向へいう掲示があります>>
次に食品加工業のマーケティング力です。CPグループを筆頭に財閥系の食品企業が多いのですが、全世界中にむけて、それぞれの食嗜好、食生活に合った提案をされています。今回は、水産加工工場を2か所訪問しましたが、欧州、米国、豪州、中国、日本向けと、市場をしっかり分析しています。また、CPグループのように、素材の開発、栽培・飼育から始まるサプライチェーンをしっかり持っているところが強みです。また、品質においても、ヨーロッパ向け、アメリカ向けの認証をきっちり取得していて、輸出にもしっかり対応しています。
<<種から始まる農業のコングロマリット CPグループの展示は圧巻>>
最後は、IT技術もさっさと導入が早いことです。
若者があつまるサイアムディスカバリー、ここに新しくできたフードコートは、近未来的です。テーブルごとにタブレットとクレジットカードの決済機が置かれて、客は、テーブルに座って、店を選び、メニューを選んで、テーブルで支払います。領収書は、メールアドレス、電話番号をいれれば、そこにPDFで送られてきます。日本でもタブレットをおいた飲食店はいっぱいありますが、ここまでトータルにやってくれると、やられた!って感じです。
<<ITフードコートのThe Kitchen, フードコートにあるメニュー看板はありません。>>
もちろん、タイ全土のことではなく、バンコクだけのことです。バンコク圏内(クルンテープ マハナコーンから始まる長い名前の範囲)に限れば、人口は、1千万人近く、一人当たりGDPは、13,000ドルを超えていると聞きます。これは、タイ国全体の3.5倍にあたります。このように国内でも、バンコク市内でも格差は大きいです。先に述べたことは、一部だけの現象ではありますが、天井知らずの超富裕層と未来に前向きな若者たちの旺盛な消費が、タイの産業を前へ、前へと推し進めているのでしょう。