本来あるべきまともな生活にフツーにあった知恵や技術を守り、後世に伝えることに力を注いでおられる、絶滅危惧種のような方々を称えるコレゾ賞。詳しくは、元関西系芸能プロダクション内の旅行会社の経営者だった平野龍平さんが私財を投げうち、なりふり構わず、主催するコレゾ賞のページをご覧下さい。
<<授賞式の様子、平野財団長のつっこみで、受賞者がしゃべる、しゃべる>>
(ブラックか、ホワイトか)
工業化、都市化の進んだ現代では、都市に住む大多数の人々と経済性、合理性が優先されます。衣食住は、気候風土とどんどん乖離していきます。アジアの田舎も同様、工業化の波が押し寄せ製品、お金が中心という価値観に傾き、人々は都市を目指します。それは悪いことではないけれど、時間や手間をお金で買う生活は便利で、私たち、都市民は、余剰時間に金儲け(仕事)をしたり、時間つぶし(遊び)をすることを享受しています。
食の分野でいえば、農作物の種や土壌、家畜の種(生殖)から食卓に至るまでの間、様々な技術や大量生産的なプロセスが導入され、安価で簡便に食べ物が膨大な都市人口を支えています。例えば、300円であったかい牛丼が食べられるのは、ちょっと行き過ぎているかと私は思いますが、それはそれで素晴らしいことです。
(三河の醸し文化)
みりん、白しょうゆ、たまり、豆味噌(ちょっと離れて岡崎の八丁味噌が有名)そして、酢、酒と、この地域には、醸造文化が集積しています(というよりたくさん残っています)。水にも恵まれ、米はもちろん、大豆、小麦など豊かな土壌があったことと、また、江戸時代、港が整備され、ここでつくられた醸造製品がせっせと江戸に運ばれ、商業的にも発達したことが背景にあります。碧南市、半田市、常滑市、西尾市が、連携し、竜の子街道という食文化で売り出し中です。
授賞式の後、三河みりんの製造元、角谷文治郎商店と杉浦味醂、白しょうゆ、白たまりの製造元の日東醸造を訪ねて、三河の醸し文化を勉強しました。
<<みりんは甘酒と同じ成分、工程と、甘酒と、最初の原料である蒸しおこわでついたおもちもいただきました!>>
<<白たまり屋さんなのに、ブラックって書いているぞ?! 日東醸造 蜷川社長>>
<<酒粕からつくる粕とり焼酎を原料にする杉浦みりんの杉浦みりりん社長>>
皆知る人ぞ知る「醸し人」!それぞれに古来の製法を守り、また改良に改良を重ね、伝統をつないでおられます。そのご苦労は、私たちには想像もできませんが、この時代において継続することの厳しさを知ることができました。
またこれらの技をサポートする道具類も絶滅危惧種、例えば、醸すための木桶を作る会社も、日本でたった1社となっています。またそれを残そうとするコレゾ賞ヤング部門の若者たちの心意気も素晴らしく、追って紹介します。
(百人にひとりわかってもらえばいい)
コレゾな食品や技は素晴らしく、私たちは、せっせとそれらを食べることくらいしか能がありません。一般的価値観からみれば高価であり、調理もしなくなった今、私たちは、どんな食を選ぶだけの問題。角谷文治郎商店の角谷社長は、「うちのみりんは、百人にひとり、わかってもらえばいいのです。」とおっしゃっていました。すごい!
ブラックか、ホワイトか、答えはありません。情報を得て、色々食べて、考えて選択をしていくことだと思います。食の生産、流通プロセスは、複雑になりすぎて、よくわからないことだらけ。今、来春から、これらを学ぶ場をつくっているところです。できあがったら、お知らせいたします。