長野県飯山市へ行ってきました。日本有数の豪雪地帯の飯山、4月下旬の飯山は、田んぼには雪も残り、桜が咲き、田んぼの畔には蕗のとうやつくしが生え、まさに春爛漫。飯山には戸狩温泉や斑尾高原温泉などがあり、かつてはスキー客で栄えた民宿街も一時期ほどの賑わいはありません。が、冬季以外の観光の活性化にと早くから着地型観光に取り組み、今では、市や地域の人々が母体になっている信州いいやま観光局が様々な体験プログラムを提供しています。
飯山の紹介はさておき、この地で千葉からIターン移住してきた若いご夫婦の営む城山荘を訪ねました。城山荘は、戸狩地区のもっとも奥、山の向こうはもう新潟県という場所に、築150年の農家民宿です。ご主人の親族が、城山荘を営んでおられたそうですが、後継者なく、千葉で農事法人で働いたご主人が移り住み、あらたに農家民宿としてスタートすることとなったそうです。なんで農業?と伺ったら、ご夫婦とも「水」に関心があり、水を守るために農業をやりたかったとおっしゃいます。
移り住んで3年、今では、米や野菜を直販し、米や野菜を使ったお菓子やお茶(米焙煎茶が美味!)を売り、そして、農家民宿では、客をもてなし、時にはイベントを、めちゃくちゃ楽しんでおられる感じです。野菜は、ほとんど口コミの個人客とレストラン、米焙煎茶は、軽井沢のホテルへ卸していると、これぞ6次産業化です。
こういう小さな単位でできる農ビジネス、憧れます。私もすみっこ仲間に入れてもらっている、"変だけとまっとうな人々"集まるコレゾ財団で、名誉なし、権威なし、賞金なしの三ない賞を受賞される人たちも、城山荘のお二人のように、スモール6次産業組がたくさんいらっしゃいます。ご家族で、無理なくできる範囲で、梅干し、だんご、線香、、、、どの方々も、みんなニコニコされているのが印象的です。
6次産業化というと、「市町村で補助金もらって、さて何しようか」というパターンも少なくありません。最初から大きなことを目指すのではなく、このような小さな6次化を束ねていければいいのではと思います。
が、城山荘の夢は大きく、グローバル。ご主人は、アジアでの農業生産を目指し、タイへしばらく旅立たれるそうです。ちなみにご主人は、元慶応ボーイ、外資金融機関へけって、農業の道に入ったというツワモノ。地方を目指す若者に期待!ですね。