「ITと小売業・流通業を融合させ、お客様の役に立つ」と言うビジョンを掲げ、小売業にAIを導入をと、ガンガン先進事例をつくっているトライアル。昨年春に開業したスーパーセンター アイランドシティ店に行ってみました。700台のカメラを駆使して、商品、ひとの動きを捉えて、AIで分析し、最適化した売り場を目指しているというスマートストアです。同社永田会長が書かれた「リテールAI最強マネタイズ」には、情報テクノロジーを導入することで小売業が生きたビジネスになっていくと、AIリテール戦略を掲げ、陣頭指揮をとるエネルギーが行間から熱っ、熱っと感じられる内容です。
AmazonGOのように巨額なお金をかけてまずはやってみる、のではなく、安価なカメラを導入し、そして優秀な人材を集め、データ解析やソフト開発は中国でさっさとやってしまう。地に足着いた手法で、現実的なAI小売店舗をつくろうと、日本を元気に、世界を変えていく!とおっしゃっています。
さて、2018年春オープンしたトライアルスーパーセンターアイランド店は、香椎照葉という新興住宅地にあります。、博多駅からJR快速で2駅目から車で10分くらいのベッドタウン、すごい高層マンションが立ち、埋立地なので東京で言えば豊洲みたいなところです。中国人か韓国人が買ってんの?!と思いきや、タクシーの運転手さん曰く、子育て世帯が分譲マンションを買って住んでるんですよ、とのこと。
<<すごい高層マンションだらけ、ここはハノイかプノンペンか、、という感じです。>>
<<大きな画面のついたカートには、スキャナーがついていてバーコードを読んでいく、重たいものには横にかかっているバー上のスキャナーで>>
<<カメラが張り巡らされて、商品の売れ方、ひとの動き(万引き防止含め)、、見られてる~>>
とそんな街にあるAIスーパーは、、レジを通さず買い物ができます。プリペイドカードをもっておれば、カード暗証番号を入れ、買い物スタート!カートについたスキャナーでピッピ、ピッピとかごに商品を入れていきます。楽しいやん!レジのある出口近くに近づくと、タブレットの画面が買い物は終了ですか、と聞いてきて、精算とタッチすれば、支払い完了。(といってもすでにプリペイドで支払っているのですけどね)。出口をでるには、店員さんがレジとかごの中の商品をチェックして終わり、レシートがでてきて、あとは袋に詰めて店を出るだけ。。。これはレジに並ばずに便利です。とはいえ、混雑時は、この最後の関門のところで並ぶだろな~と想像されますが、、こういうスーパーセンターではかなりの点数を購入することが多いので、すごく便利。数品を購入して、あまりに簡単に出て来れるAmazonGOとは形態も違います。そして、やはり人がいることでなんとなく安心感はあります。
スキャンバーというのは、数年前からありますが、、あまり使われなかったようですね。今でもアメリカのスーパーで見かけますが誰も使ってないようです。デジタル機器は、便利さとわかりやすさに加えて、それをつかうインセンティブ(割引になるとか、ポイントがつくとか)がないと、従来のレジから移行しにくいですが、ここでは、若い主婦層を中心に活用されているように見受けられました。
レジなし決済だけでなく、カメラのほとんどが商品棚に向けてつけられているそうで、どうやって商品が売れていくのかをデータ化しているそうです。同店の次に、さらにパワーアップされた店が佐賀にオープンしており、福岡空港近くには、無人でも購入ができる小型店Trial Quickが2018年12月にオープン、多店舗化を進めていくようです。
でも、やはり大事なことは、売っている商品。リアルの店舗で買い物するのは、感動があって、気づきがあって、家族を喜ばせる食材が買えること。大手チェーン企業も、あれこれ試行錯誤しているようです。